ソニー、「スマホ立て直し」へ残された道 新たな顧客開拓がカギを握る
試されるのは何よりもスマホでの構造改革だ。2014年11月にスマホ部門トップに就いた十時裕樹氏は、販売地域の見直しや商品モデル数の絞り込み、人員削減などの施策を掲げたが、その中身はあいまいだった。
今回、吉田CFOは2014年10月に発表した1000人に加え、2015年度末までに1100人規模の追加削減を実施すると表明。先のリストラは中国市場が対象だったが、「(追加削減は)中国以外が中心になる」(ソニー幹部)。かつて完全子会社化した旧ソニー・エリクソンの人員を抱え、固定費がかさばる欧州でのリストラがカギとなりそうだ。
新たな顧客の開拓がカギ
人員減の規模は明らかになったとはいえ、商品数の削減など、詳細は不透明なまま。その意味で、今後、構造改革に加え不可欠なのが、"売れるスマホ"の開発だ。
「われわれのやるべきことは、付加価値のある製品を世に出すこと」。かねて十時氏はそう語り、高性能カメラなどの機能を盛り込み、高くても売れる製品を造る従来路線の継続を表明していた。
が、中国製スマホなど格安端末が台頭する中、高付加価値路線が急ブレーキの要因となったのも確か。より顧客ニーズに敏感にならなければ、差別化は難しい。
1月30日には、傘下のソネットのMVNO(仮想移動体通信事業者)サービス経由で、「Xperia」を今春発売すると発表した。通信料金とセットで割安感を打ち出し、顧客層を広げる施策に踏み出したといえる。
テレビやパソコンなど従来の課題と比べ、「1年遅れの構造改革」(吉田CFO)に取りかかるスマホ事業。ソニー復活には、改革徹底と新ユーザー開拓が欠かせない。
(「週刊東洋経済」2015年2月14日号<9日発売>「核心リポート04」を転載)
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