マツダがレースで使った「ミドリムシ」の正体 ユーグレナが作る次世代バイオディーゼル燃料

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こうして安定的に生産できるようになった「次世代バイオディーゼル燃料」だが、なにがどう「次世代」なのか。その定義について、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、「バイオ燃料には大きく3つの区分がある」としている。

世に出た順で見ると、第1世代はトウモロコシなど可食部に由来するもの。第2世代は、非食用の木材や草などを使用したものとなる。

第1世代と第2世代のバイオ燃料には、エタノールやバイオディーゼルなどがあるが、分子構造が石油由来の燃料とは違う。そのため、ガソリンやディーゼル燃料と混合する場合は、その比率に対して法的な制限があるのが実情だ。

一方、次世代バイオ燃料は炭化水素燃料であり、ガソリンやディーゼル燃料と分子構造が同じである。例えば、サステオはJIS(日本工業規格)で軽油と同じ扱いになっている。

軽油はディーゼルエンジンに使われる燃料だ(筆者撮影)

こうした各世代のバイオ燃料が、広義ではカーボンニュートラル燃料として認識されているのだ。また、カーボンニュートラル燃料の仲間である合成燃料(またはe-フューエル)とは、再生可能エネルギー由来の水素を使う場合の用語である。

トヨタが「富士24時間レース2022」でメディア向けに配布した資料には、「水素の由来が再生エネルギーではない場合、厳密にはe-フューエルとは呼べないが、こうした用語の使い方が市場で混乱している」との説明もあった

究極は「ミドリムシ100%」

では、次世代バイオ燃料は今後、日本でも普及するのだろうか。

IEA(国際エネルギー機関)では、バイオ燃料が2021年から2026年までに「グローバルで28%増加する」と予測している。その裏付けとして、アメリカとEUでカーボンニュートラルに向けた規制を強化する方針があるほか、中国やインドでも供給量の増加が見込まれていることがある。

中でもジェット燃料については、ICAO(国際民間航空機関)を中心としてSAF(サスティナブル・エビエーション・フューエル:持続可能な航空燃料)への転換を目指しており、次世代バイオ燃料の需要拡大が期待されている。

一方、日本では政府のグリーン成長戦略が、日本における次世代バイオ燃料市場の拡大に向けた追い風になっているのだが、燃料というくくりでは水素やアンモニアなどに比べると、次世代バイオ燃料についての方針は具体的になっていない。

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