「あおり運転」2輪車や大型車から見た乗用車の姿 混合交通では他車とのコミュニケーションが重要

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乗用車のドライバーからはうかがい知れない大型車、2輪車をめぐる「あおり/あおられ運転」の実態とは? (写真:ヨシヒロ/PIXTA 、node/PIXTA)
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昨今、よく話題になる「あおり運転」。ほかの車両の通行を妨害し、重大な交通事故にもつながる危険な行為だ。この問題をとことん考える短期集中連載の第3回。第1回「あおり運転『あおられる側』が意外と知らない事実」、第2回「あおり運転に怒り覚える人に知ってほしい対処法」に続く最終回は、あおり/あおられ運転にまつわる2輪車、大型商用車の実情や、あおり/あおられ運転から身を守る先進安全技術について考えてみたい。

乗り物ごとに、あおり/あおられ運転の違いはあるのだろうか。交通コメンテーターとして日々、2輪車、乗用車、大型車を運転している筆者の経験則からすると、乗り物によってあおり/あおられ運転の違いは確かにある。

2輪車は車体が小さいため、後続車からすると車間距離の感覚が乗用車と異なる。よって接近されやすく、結果、あおられたと感じるライダーは多い。

死角に入ることがある2輪車に注意

また、2輪車は車両重量が軽いので加速力だけでなく減速力も優れているというイメージが先行しているのか、高速道路で追い越し車線走行時に危険なタイミングで割り込まれることもしばしば経験する。

割り込む側からすると悪気はなく、減速できると考えて車線変更を行っている。よって、とくに2輪車は他車の死角に入らない防衛運転が大切だ。

自転車を含めた2輪車の急制動時は、前輪1輪が主となって止まる力を生み出すため前のめり傾向になり、車体の安定性が悪化する。今でこそ排気量に応じて2輪車(新型車)にも急ブレーキ時や低摩擦路におけるブレーキ操作で、車輪がロックして滑ってしまうのを防ぐABS(アンチロック・ブレーキ・システム)の装着が義務化されたが、4輪車に対して制動力では物理的に不利だ。また、2輪車の制動力はライダーの技量によるところも大きい。

2輪車があおり運転の当事者になることがゼロであるとは言わない。しかし、あおり運転≒命の危険となることから、割合からすれば少ない。それよりも車両の間をすり抜けるジグザグ走行のほうが自動車のドライバーからすれば危険に感じる。

筆者は1993年から(一財)全日本交通安全協会の2輪車安全運転推進委員会で指導員として、ジグザグ走行の危険性をつねに受講者の方々に説いているが、ドライバーの死角から突然、2輪車に追い抜かれて驚いたドライバーも少なくないはずだ。

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