"貧困東大生"実践「悲観を楽観に変える技」が凄い 受験以外でも役立つ「リフレーミング」とは?

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しかし、受験勉強を続けられた理由は別にあります。やっぱりこの貧乏な状態から抜け出して、お金が欲しかったのです。東大生になればきっとお金が儲けられるはずだ、と。逆に、自分は東大に行けなかったら、自分の子どもにも苦労をかけることになるから、子どもは作らないでおこう、と思っていました。

そして週3でバイトしてお金を稼ぎながら、なんとか東大に合格することができたのです。今考えると、自分は裕福ではない家庭環境だったからこそ合格できたんだと思っています。

週3でバイトをすることになったけれど、それも自分にとってはいい息抜きになったし、参考書を買うお金がないから中古で参考書を買っていたけれど、いろんなものにあれこれ手を出さずに1つのものを極める勉強法が身について、かえってよかったと思っています。

ネガティブをポジティブに変換して東大に合格

知らず知らずのうちですが、僕も「リフレーミング」ができていたのだと思います。自分の中のネガティブな要素を、うまくポジティブに転換することができたから、東大に合格できたのです。

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このように、なんらかのマイナスをプラスな思考に変えることができる能力を持っている人というのはうまくいく場合が多いです。

僕は、学力よりも、この能力のほうが重要な能力なのではないかと思います。何か多少の失敗があってもそれをプラスに変えることができて、受験でもそれ以外のところでも能力を発揮しやすいのです。

今、SNSでは環境に対して文句を言う人が多いと思います。「親ガチャ」という言葉が流行り、Twitterでは毎日のように国や職場・学校や親などに対する否定のコメントが増殖しています。

その気持ちは僕にもよくわかるのですが、しかしそれでも、それをなんとかプラスに転換して考えてみると、見えてくる景色が変わってくるかもしれません。ぜひ皆さん頑張ってください!

布施川 天馬 現役東大生

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ふせがわ てんま / Tenma Fusegawa

1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれ、幼少期から貧しい生活を余儀なくされる。金銭的、地理的な事情から、無理なく進学可能な大学である東大進学を志すようになる。

高校3年生まで吹奏楽部の活動や生徒会長としての活動をこなすが、自主学習の習慣をほぼつけないままに受験生となってしまう。予備校に通うだけの金銭的余裕がなかったため、オリジナルの「お金も時間も節約する勉強法」を編み出し、一浪の末、東大合格を果たす。

現在は、自身の勉強法を全国に広めるための「リアルドラゴン桜プロジェクト」を推進。また、全国の子供たちを対象に無料で勉強を教えるYouTubeチャンネル「スマホ学園」にて授業を行う。

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