「指輪代は振り込みで返してもらいましょう。領収書かレシートは、持っている? 私が相談室にその連絡をします」
ところが、ゆきえの相談室に指輪代の精算について話をすると、その後彼女とは連絡が取れなくなってしまったという。そして、勝手に「退会届」を送りつけて、相談所を退会してしまった。
婚約破棄をされ、すっかり落ち込んでいたとしゆきだが、指輪を持って姿をくらましたという事実を知って、悲しみよりも怒りのほうが勝っていった。そこから、としゆきはゆきえに指輪代の返金を求める内容証明を送ったのだが、なしのつぶて。内容証明には法的拘束力がないので、無視をしていても何の罪にもならない。
これは婚約指輪ではないと主張
怒りの収まらないとしゆきは、弁護士を立てて訴訟を起こした。弁護士費用を考えたら、指輪のお金が全額返ってきたとしても、金額は相殺もしくは赤字になることはわかっていたが、このまま泣き寝入りしたくなかった。
結局は裁判になったそうだ。ゆきえは弁護士を通じて、「婚約はしていない」「指輪は婚約指輪ではなく、としゆきが勝手に買ったもの。プレゼントの認識だ」と主張してきたという。
結局、裁判所の判決は、としゆきの言い分が通ったかたちで落ち着いた。
一度は結婚を約束したものの、どちらか一方の気持ちが変わってしまうことはあるだろう。だが、関係の終わらせ方に、互いの人間性が垣間見えてくる。“立つ鳥跡を濁さず”ということわざがあるが、別れ際はきれいにしたいものだ。
しかし、恋愛においては愛憎が入り交じるので、それは難しいのかもしれない。
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