「今までしてきたお見合いの中で、一番楽しかったし、一番盛り上がったと思います。ぜひ、交際希望でお願いします」
お見合いを終えて、声を弾ませて連絡を入れてきた。ともあきからも交際希望が来て、交際が成立。そこから、週末デートを3回重ねたところで、真剣交際に入った。
「今までの婚活は一進一退で、まったくうまくいかなかったけれど、進むときって、トントントンと進むものなんですね」
真剣交際に入ってからのデートでは、一緒に指輪を見に行ったり、家を見に行ったり、結婚に向かって順調に進んでいる様子だった。ところがあるときから、ともあきの様子がおかしくなった。「仕事が忙しい」と言って、週末会おうとしないのだ。以前は、LINEを送ればすぐに既読になったのに、朝のLINEが既読になるのは夜。そのうち、2、3日経たないとLINEの既読がつかなくなった。
仲人のLINEも既読にならず
「毎週末会っていたのに、もう3週間会えていません」
あるとき、ゆみこから連絡が入ってきた。そこで、現状をともあきの相談室に連絡した。ともあきの仲人は「彼に様子を聞いてみます」とのことだった。
その4日後に、ともあきの仲人から連絡がきた。「私が入れたLINEも既読にならないんです。電話をかけても出ない。まったく連絡がつかない状態です」。
この状況をゆみこに伝えると、彼女は深いため息をつきながら言った。
「わかりました。あと1週間待ちますが、それでも連絡がつかなかったら、交際終了にします。時間は有限です。怖いくらいスムーズに進んでいたので、“運命の相手って、こういう人なのかな”と思っていたけれど、思わぬ落とし穴が最後に待っていたんですね」
恋愛でも、こういうタイプはいる。関係を終わりにしたいときに、連絡を取る間隔を徐々に空けていき、相手がだんだんとあきめるように仕向けていく。自然の出会いやアプリなどでは、そこから自然消滅に持ち込む。
「仕事が忙しい」というのは、男女ともに別れたいときに使う常套句だ。どんなに仕事が忙しくても、関係を続けたければ会う時間を作るし、LINEの返信は即レスしてくる。
それから1週間後。ともあきとは連絡はつかないまま、ゆみこから交際終了を出した。
「結婚相談所なら仲人さんもついているし、いい加減なことをする人はいないと思ったけれど、そうではないんですね。でも、こんないい加減な人と結婚しなくてよかったです」
交際終了を出したゆみこは、気持ちを仕切り直して、次の出会いに向うことを心に決めた。
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