「結局、相談所も同じ…」32歳女性が受けた仕打ち 「立つ鳥跡を濁さず」が難しい婚活男女の別れ際

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さとえ(37歳、仮名)は、ともなり(41歳、仮名)と真剣交際に入って、2カ月が経った頃にプロポーズをされ、それを受けた。成婚退会間近だったのだが、「やっぱりこの結婚は考え直したいです」と、連絡を入れてきた。

面談ルームにやってきたさとえが言った。

「前々から気が短いところがあるなと思っていたんです。レストランに行って、注文したものが出てくるのが遅いとイライラしたり、車を運転しているときに不意に飛び出してきた自転車や、無理矢理割り込んできた車に、舌打ちしたり。ただ、それで怒りの感情を言葉にしたり、キレたりする人ではなかったので、気にしないようにしていました」

ところが、互いの家を行き来するようになり、過ごす時間も長くなってくると、彼の怒り方の特徴が見えてきた。

「ひたすら私を無視するんです」

「ケチ!」のひと言に彼がキレた

つい先日、彼の家を訪れたときのこと。結婚式をどういう形式でやるか話し合っていたら、意見が食い違った。ともなりは言った。

「ひな壇に飾られて、見せ物みたいにさらされて、結婚式って恥ずかしいよな。そんなことに大枚はたくのはばからしい。オレはやらなくてもいいと思っているけど、さとちゃんはどう? うちわの食事会をすればいいんじゃないかな」

さとえは、結婚式をきちんとやりたいタイプだった。

「私は女性だし、結婚式には憧れがあるの。ウエディングドレスと打ち掛け、2つ着るのが昔からの夢だったし」

すると、ともなりはあきれた口調で言った。「えっ? 着替えるの? 数時間の中で、高い衣装を2回着るって、着せ替え人形じゃあるまいし、もったいないよ」。

その言葉にカチンときたさとえが、やや語気を強めて言った。「前々から思っていたけど、ともくんって、お金を使うのを本当に嫌がるよね。もったいないって、一生に一度のことじゃない。本当、ケチ!」

すると、ともなりの顔つきがキッと変わり、ついていたテレビのボリュームをうるさいくらいの大音量に上げた。そして、そこからはさとえが何を話しかけても、真っ直ぐにテレビを見たまま、無視し続けた。その様子に怒りと悲しみが込み上げてきたさとえは、「帰るね」と一言だけ告げて、部屋を後にしたという。

これだけではなく、過去にも何度かささいなことで意見が食い違うことがあったのだが、決まってともなりは、口をきかなくなる。怒りの表し方は人それぞれだ。大声を出したり、暴言を吐いたり、泣き叫んだりする人もいるが、ともなりは徹底的に相手を無視をするタイプだった。

さとえは、私に言った。「帰ってから母にも相談したんですが、母が『ケチな人、気が短くて怒りやすい人と結婚したら、生活がつらくなるわよ』と言うんです。まだ婚姻届を出したわけじゃないし、今ならまだ引き返せるかなって思うんですよ」

よくよく考えたようだったが、さとえはともなりとの婚約を解消することにした。

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