「結局、相談所も同じ…」32歳女性が受けた仕打ち 「立つ鳥跡を濁さず」が難しい婚活男女の別れ際

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すると数日後、送られてきたLINEに書類が添付されていたという。開いてみると、今までのデートで使ったお金がすべて明記されており、そのきっちり半額を支払ってほしいという請求書だった。

「家計簿アプリを携帯に入れていたのは、知っていました。テレビを大音量にして私を無視した日、彼の家に行く前に近くのコンビニで買った数百円の唐揚げのお金も、半額請求されていました。ケンカになったので、私は唐揚げを食べていませんけど。こんなケチな人と結婚しなくて、本当によかった」

としゆき(39歳、仮名)は、真剣交際に入っていたゆきえ(37歳、仮名)にプロポーズをし、その翌週末には2人でデパートに婚約指輪を買いに行った。

そのことについて、としゆきがこんな報告を入れてきた。

「あんな高級店に行ったのは、生まれて初めでした。ちっちゃな石のダイヤモンドがいい値段しているので、びっくりしました。まあ、一生に一度のことだし、奮発して彼女が欲しいというものをプレゼントしました」

1カ月の給料をはるかに超える金額の指輪を贈ったという。その後は新居も探し始め、結婚に向けての準備を順調に進めている様子だった。月末には成婚退会もする予定でいた。

指輪を持って行方をくらます

ところが、週明けにゆきえの相談室から、連絡が入った。

「結婚の話を詰めていくうちに、彼の性格がいろいろ見えてきて、根本的な考え方や結婚観が合わないと思ったようです。婚約は解消、交際終了の申し出がありました」

驚いた私はとしゆきに電話を入れた。すると、彼が大きなため息をついてから言った。

「週末、僕の家で会ったときに、これからのことを話していたんですね。結婚後の仕事の話になったら、彼女が、『仕事は辞めて、専業主婦になりたい』と言うんです。僕は、彼女の収入をあてにしているわけではない。だけど、女性もなんらかの仕事をして、社会とつながっていたほうがいいし、家でいつも僕の帰りを待たれていたら、重たいというのを伝えたんですよ。そうしたら、みるみる機嫌が悪くなって、そのまま帰っちゃったんです」

そこから、LINEを入れても返事がそっけなく、ついに2日前からはLINEが既読になるものの返信が来なくなったという。

「女性って、いったん気持ちが裏返ると修復不可能ってよく言いますよね。相談室を通じて婚約は解消、交際終了を出してきたのなら、もう元に戻るのは不可能。あんなに高い婚約指輪を買ったのに。こういうときって指輪はどうなるんですか? 現物を返されたって僕は困るけれど」

相談所の通例としては、婚約解消が女性の心変わりで男性に非がない場合は、指輪代を現金精算し、返金してもらっている。

次ページやがて「退会届」が届き…
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