双子パンダ1歳「個性も発揮」ぐんっと成長の記録 小池百合子知事の鑑賞時は母子3頭が「爆睡」
上野動物園の福田豊園長はこの成長ぶりについて、手作りのフリップを使いながら、6月20日の「祝う会」で紹介。「まだまだ小さい2頭ですけれど、上野動物園では、これからもシャオシャオとレイレイを大切に飼育してまいります」と話した。
ちなみに体長は、2021年11月30日に測定したのが最後で、シャオシャオは84.0cm、レイレイは83.5cmだった。飼育係は、双子が170日齢を迎えた同年12月10日にも計測しようとしたが、双子が激しく動いて、測れなかった。双子の動きが活発になってきたため、以降、体長測定はしていない。
コロナ禍で中国の専門家が来られない
双子はコロナ禍に誕生した。上野動物園の飼育展示課長でもある冨田恭正副園長は、双子の誕生時をこう振り返る。
「1頭目の出産に続いて、2頭目の出産が確実視された時、正直、喜びと同時にいわれのない緊張感に包まれました。そのことは今も忘れません。1頭だけでも決して楽ではないのですが、双子を育てるという時、飼育係によるサポートが全然足りないことは分かっていました。コロナ禍で、本来ならこちらに来てくれて、一緒に取り組むはずの中国の専門家が来ることができませんでした」
そうした中、上野動物園で初めて双子パンダを育てることになった。シンシンは出産後、食欲が回復しなかった。シンシンが少しでも栄養を補給できるように、職員はシンシンが食べそうな竹を探し回った。
また、双子の誕生後しばらくは、シンシンと飼育係が交互に育てた(参照:『「すり替え作戦で育児」双子パンダ誕生の舞台裏』)。例えば、シンシンがシャオシャオを抱いている間は、レイレイを保育器に入れて、飼育係が面倒をみる。その後、シャオシャオとレイレイを入れ替える。
一般的にパンダの母親は、双子を生んでも2頭とも育てることが難しい。だが、こうして入れ替えれば、両方を育てられる。シンシンも、シャオシャオとレイレイの両方を熱心に育てた。
とは言え、保育器にいる子どもの人工飼育は簡単ではない。職員はシンシンから母乳を搾り、子どもに与える。「間違って気管に入ったりしないように、慎重に、慎重に飲ませました。24時間、まったく気を抜けない状況が続きました」(冨田副園長)。
その甲斐もあってか、2頭はすくすくと育っている。
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