100円ローソン、なぜ通用しなくなったのか デフレの終焉だけが理由じゃない!

✎ 1〜 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 最新
拡大
縮小
100円(税抜き)商品を中心に展開するローソンストア100

ローソンが100円(税抜き)の商品を中心に扱う「ローソンストア100」の店舗網を大幅に縮小する計画を進めていることが明らかになった。約2割に当たる約260店を閉鎖する方針で、これと同時に提携農場で栽培する農作物を軸に販売する店舗形態「ローソンマート」も全39店を閉める。

ローソンストア100は、いわば100円ショップと小型スーパーを組み合わせたような店舗形態だ。税込み108円という低価格ながらも高品質な食品である「バリューライン」と呼ばれるプライベートブランド(PB)を中心とする品ぞろえで展開している。バリューラインには、メーカーと共同開発したカット野菜や冷凍食品などがラインアップ。一方のローソンマートはローソンストア100よりも2倍ほどの敷地面積を備え、ローソンの通常店より1~2割ほど商品価格が安いのが特徴である。

「SHOP99」を取り込んで店舗網を拡大

もともとローソンはローソンストア100を2005年にスタート。その後、99円ショップ「SHOP99」を運営する九九プラスを買収し、その店舗の転換・統合なども加わって店舗網を広げてきた。何でも100円でそろうという手軽さと一般的な100円ショップとは違う生鮮食品を扱うという差別化ポイントなどを武器に、主要なターゲットとする女性やシニアといった単身世帯を中心として顧客を獲得してきた。

ローソンマートは赤系の色を基調としたデザイン(撮影:尾形 文繁)

コンビニ業界では出店が飽和しているという指摘はあるものの、スーパーから顧客を奪う余地はあると指摘されている。セブン-イレブンやファミリーマートといった大手3社を軸に、出店意欲がまだまだ旺盛な中での大量閉鎖という構図である。

ただ、今回ローソンが打ち出した大量閉鎖は、流通業界関係者にとってみると驚きでも何でもない。ローソン関係者が以前から吐露していたほど、苦戦していたからだ。ローソンストア100とローソンマートを併せた店舗数は2014年2~11月の9カ月間ですでに45店減り、1157店になっていた。今回はそれを一段と縮小させるというワケだ。

ここからはローソンストア100に的を絞ろう。なぜここまで苦境に追い込まれたのか。

次ページ100円ショップの存在意義が低下した?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT