2つめの苦戦要因は円安と原材料高だ。100円ショップのキモは、安価ながらも高品質な商品の驚きにある。円安と原材料高でコストが上がる中、セブン-イレブンは消費税増税を機に、むしろ商品の価格と品質を増税分以上に引き上げ、消費者への価値向上を狙った商品もある。対してローソンストア100は、すべてではないが原則として「100円均一」という縛りがあり、価格の引き上げが難しかった。
消費者に「100円ならこんなものか」と思われてしまえば、成長は難しい。実際に、筆者の周囲にいる女性数人に意見を聞いてみると「昔はよかったんだろうけれど、今は欲しいものが売っていない」との声があった。
「数」を追うビジネスモデルの宿命
3つ目は、顧客の「数」を追わなければならないビジネスモデルの宿命だ。ローソンの通常店とローソンストア100は、数年前まで1店あたり大差がなかった。ローソンストア100がよかったときで日商55万円ぐらいといわれる。
客単価が安いため、ローソンストア100が安定した収益を得るにはローソンの通常店に比べ2~3割は多めに来店客を獲得しなければならない。誤解ないように付け加えると、これは取り立てておかしな話ではない。同じ金額の売り上げを得るための手段はさまざまあっていい。数をさばけることは強みでもある。メーカーからすると、販売量がたくさん見込めるからこそ共同開発するメリットがある。
ただ、数を追うやり方は、競争が激化して集客が難しくなったときに行き詰まる。コストが上がっている中ではなおさらだ。
筆者は、ほぼ毎日のようにローソンで買い物をしている。ローソンの通常店、ナチュラルローソン、ローソンストア100が近接する地域に住んでいるからだ。過去に一定の成功を収めたモデルも、たった数年で「古びてしまう」のは世の常である。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら