訴訟で露わに「グーグル」宗教団体との謎の関係 ある部門が信者に「占拠」されていた?

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原告のロイドは不当解雇などでグーグルなどを訴えている(写真:Will Matsuda/The New York Times)

ロイドが8月にカリフォルニア州上位裁判所に起こした訴訟では、グーグルとASGが、労働者を差別から保護するカリフォルニア州の雇用法に違反したとしている。訴訟は現在、開示手続きの段階だ。

ニューヨーク・タイムズは、GDSの現従業員と元従業員の計8人を取材。公開情報に加え、フェローシップの信者名簿、イベント予算が詳細に記されたグーグルのスプレッドシート、イベントで撮影された写真などを検証することで、この訴訟におけるロイドの主張の多くが事実であることを確認した。

過去に性的スキャンダルも

1970年にサンフランシスコ・ベイエリアの元学校教師、ロバート・アール・バートンによって設立されたフェローシップは世界で1500人の信者を擁し、うち500~600人がオレゴンハウスの施設とその周辺に住んでいる。信者は通常、月収の10%を教団に納めることを求められている。

フェローシップは北カリフォルニアにある教団施設「アポロ」でオペラや演劇、バレエを上演し、高く評価されるワイナリーを運営し、総額1100万ドルを超える中国の骨董品をはじめ、世界中から美術品を収集していた。バートンはアポロを、世界の終末後に誕生する新たな文明の種と位置づけていた。

フェローシップは1984年、「(入信した)若い男性たちがバートンから強引かつ違法な性的誘惑を受けた」として元信者に275万ドルの損害賠償訴訟を起こされ、非難の対象となったことがある。1996年には、別の元信者も未成年だった頃にみだらな行為を受けたとしてバートンに対する訴訟を起こしたが、いずれも示談で解決された。

これと同じ年、フェローシップは中国の骨董品コレクションをオークションで売却。ワイン醸造の責任者だった信者が教団を脱会した2015年には、ワイナリーでの製造を停止している。フェローシップの会長、グレッグ・ホルマンは本記事の取材にコメントしなかった。

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