もしもMBA学長がフェスをプロデュースしたら 「茨城からフェスの灯は消さない」決意と勝算
廃墟とシャッター街が立ち並んでいた故郷
神様は僕を、どこに連れて行こうとしているのか。
最近、ふとそんなことを考える。
ビジネススクールの学長として経済界や経営者たちと交流し、ダボス会議で政治や気候変動の議論を交わす。そんな日常を送っていた僕が、いつのまにか、プロのバスケットボールチーム茨城ロボッツのオーナーになり、茨城放送の筆頭株主になった。バスケにもラジオ業界にもまったく縁がなかった僕が、である。
そして今、また新たに、未知の領域へのチャレンジをすることになった。そのチャレンジとは、音楽フェスティバルのプロデューサーだ。それも、ただのフェスではない。ロックの聖地「国営ひたち海浜公園」で開催する、大規模フェスだ。
自分史上最高難易度のチャレンジである。
茨城に深く関わりはじめたのは、2015年からのことだ。生まれてから東海村・水戸市で育ち、大学進学を機に故郷から遠ざかっていた僕は、スイミングクラブの同窓会に参加するために故郷に戻ってきた際に、かつて知ったる街の姿を見て愕然とした。中心地にもかかわらず、廃墟と空き地、シャッター街が立ち並ぶ、その光景に。
これまで故郷を省みなかったことを痛烈に後悔した僕は、すぐさま水戸市長に連絡を取り、「水戸ど真ん中再生プロジェクト」の創設を提案した。そしてプロジェクトの一環として、茨城ロボッツに経営参画し(2016)、中心市街地にバスケットコートなどの複合施設M-SPOを作り(2017年)、水戸の歴史を日英の言語で出版するプロジェクトを開始し(2018年)、茨城の魅力を県内外に発信するために茨城放送の経営権を取得して(2019)、偕楽園の横に千波湖を見下ろすM-GARDENを建設してきたのだ(2020)。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら