もしもMBA学長がフェスをプロデュースしたら 「茨城からフェスの灯は消さない」決意と勝算

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フェスを開催すると宣言したものの、そのために何をしたらいいのか、誰に聞いたらいいのか、僕には皆目わからなかった。だからとにかく、少しでも知見がありそうな人に毎日アポを入れ、話を聞きまくることにした。ユニバーサルミュージック、エイベックス、ソニーミュージックといった音楽業界から、TSUTAYA、ぴあ、Abema、そして交友関係のあるアーティストたちに。

と同時に、他のフェスに片っ端から参加し、現場を見て、参加者の声を聞いて、フェスとはなんたるか、成功させるにはどうすればいいかを調べ、考え抜いた。週末に2つのフェスをハシゴしたことは幾度かあった。

そうこうしているうちに、フェスを開催するうえで、まずやらなければいけない2つのことがわかった。1つは、フェスを企画運営するプロデューサーを見つけること。もう1つは、フェスのコンセプトを決めること。この2つが決まらないことには1ミリも前に進めない。

まずプロデューサーだが、僕には幸運にもツテがあった。長く日本のクラブシーンを牽引してきたDJ DRAGONだ。土浦出身で茨城放送でパーソナリティーもしている彼とは、これまでにクラブで一緒に飲んだり遊んだりした仲だ。お台場でSANCTUARYというダンスミュージックフェスのプロモーター経験もある、まさにうってつけの人材だ。

僕の依頼を快く引受けてくれた彼は、音楽イベントの経験と知識が豊富な矢澤英樹氏を紹介してくれた。こうして企画プロデューサーDJ DRAGON、運営プロデューサー矢澤氏、そして僕という、3人の推進体制が固まった。

僕の肩書きは「総合プロデューサー」である。まったくのド素人である僕が総合プロデューサーになることにはためらわれたが、「経済人がフェスの顔になるのも面白いね」という話になり、また僕が責任を持って実行するという覚悟を表明するためにも、この大役を引受けることにした。

ロッキンと比較されたら負け

推進体制を固めると同時に一早く決めなければならないのがフェスのコンセプトだ。当然のことだが、僕たちのフェスはロッキンと比較される宿命にある。ロッキンには20年の積み上げがあり、僕たちにはそれがない。同じような事をして「ロッキンと比べてしょぼかったね」と言われたら負けだ。戦略的に差別化しなければならない。

ロッキンとも、他のフェスとも、まったく違うものを作る。そう決めて僕たちはアイデアを出し合い、議論を重ね、「音楽と食とアートの祭典」と銘打ち、5つのコンセプトに結実させた。

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