もしもMBA学長がフェスをプロデュースしたら 「茨城からフェスの灯は消さない」決意と勝算

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不名誉な話だが、茨城は「県の魅力度ランキング」で最下位の常連である。だがそれは、茨城の魅力をきちんと発信できていないだけで、ここには素晴らしい歴史や文化がある。十万人規模の集客力を誇る大型イベントもいくつもある。徳川光圀を称える「水戸黄門まつり」や、チームラボが日本三名園で繰り広げる「チームラボ 偕楽園 光の祭」もそうだ。

そして何と言っても日本最大級の野外ロックフェスティバル、ROCK IN JAPAN FESTIVAL(通称ロッキン)である。2000年から毎年夏に国営ひたち海浜公園で開催されてきたこの音楽フェスは、FUJI ROCK FESTIVAL(フジロック)、SUMMER SONIC(サマソニ)と並んで、日本三大音楽フェスと称される。観客動員数も30万人規模と世界でも有数で、毎年ロッキンの時期には茨城中のホテルの予約が取れなくなるほどだ。

「茨城にはロッキンがある」。魅力がない県だと人から言われても言い返せる、県民にとっての誇りであり、心の支えなのだ。もちろん地域への経済効果も計り知れない。

そんなロッキンだが、僕自身はそれまで縁がなかった。僕が東海村と水戸に住んでいた頃はまだ存在せず、国営ひたち海浜公園も当時は米軍の射爆場だった。だが水戸ど真ん中再生プロジェクトを始めた翌2016年に初めて参加した僕は、この祭典にすっかり魅了されることになる。当時から茨城放送はこのフェスに「協力」という立場で携わっていたが、僕が筆頭株主となってからは、もっと積極的に関与したいと考え、幸いなことに2021年にはイベント会社のサンライズプロモーション東京と共に主催する「共催」という立場で関わることになった。残念なことに、2020年と2021年は、コロナウイルスの影響で開催することはできなかったのだが。

それだけに2022年のロッキンの開催を、僕は心待ちにしていた。主催者として地元に貢献できることを、2年ぶりに茨城にフェスの火が戻ってくることを信じて疑わなかった。

ところが、である。

突然の開催地変更

2022年1月5日、一通のリリースが音楽業界と茨城に激震をもたらした。ロッキンを作り、運営するロッキング・オン・グループが、開催地を千葉市の蘇我スポーツ公園に移転すると発表したのだ。

今年も当然茨城で開催されると信じて疑わなかった僕は大きなショックを受けた。事前に知らされていた僕は、なんとか撤回してもらおうと水面下で引き留めを図ったのだが、ロッキン側の意思は硬く、すでに関係各所にも連絡済みで、翻意させることはできなかった。

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