大人の都合や気分で子どもに接する「親の末路」 どんなときも「一貫した態度」でいることが大切

ムードに流されて子どもを怒ってはいませんか?(写真:shimi/PIXTA)
子育ての悩みは、親が「プリンシプル:原理・原則」を持つことで解決する。専門行動療法士、臨床心理士で日本初の行動分析学を用いた幼稚園を運営する奥田健次氏はこう言います。親と子の行動を変えるにはどうすればいいのか? 大切なのは「ムードに流されず、親が主導権をもつ」こと。今回は、親が取るべき態度について、氏の新著『子育てのほんとうの原理原則』を一部抜粋・再編集してお送りします。
ムードに流されるお母さんたち
4歳のミホちゃんという女の子がいました。3時のおやつに大好きな『ぷっちょ』を1個食べたのですが、もっとほしいとお母さんに要求しています。「さっきあげたでしょう」と言っても、「ちょうだい!」と言って聞きません。
「ちょうだい!」「ダメよ!」。何度かそんなやりとりが続いたのですが、子どもも負けていません。そしてこんな言葉を口にしました。
「キーーー、言うよ‼」
金切り声を上げるよ、と言っているのです。自分が「キーーー‼」と騒げば、お母さんは言うことを聞いてくれる、思いのままにできるという経験をしてきています。
「このお母さん、どうするのかな」と思いつつ見ていたら、「もう……、しょうがないわね、あと1個だけよ」。そう言ってぷっちょをあげてしまいました。
このお母さんは、ミホちゃんの「キーーー‼」が苦手でした。とくに外でこの声をだされると、「あの母親は子どものしつけがちゃんとできてない」と思われるのが嫌で、面倒だから、つい言うことを聞いてしまうのだと言います。
その様子を見て、私は言いました。
「情けないね、お母さん」
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