お金は代替可能、なくても人は生きていける理由 だがまだ信用のない人は「お金でも持っておく」

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さて、私が「お金とはなにか」を説明するときには「お金は自由を拡大する手段だ」と説明する。お金があれば、美味しいものを食べたり、行きたい場所に旅行したり、欲しい商品を手に入れたりといった欲望を叶えられる。最近なら、民間人でも宇宙に行ける。加えて、お金があるほうが人助けをするにも、できることの範囲が大きい。

この「人助け」という単語を講演会などで付け加えると、「お金は悪いものではないのだ」と思って、安心したような表情を見せる人が少なくない。

ただし、お金はあくまでも「手段」だ。「目的」ではない。そして、お金の本質は「数値」なので、合理的に扱うべきだ。徹底的に合理的に扱うのがいい。

堀江:お金は「日本銀行の信用」にすぎない

お金は道具であり、単なる手段にすぎないと僕も思う。「お金とは価値を交換するためのツール」だ。で、繰り返すが、お金の本質は「信用の数値化」だ。

1万円札の製造原価はわずか17円だ。この1万円札に1万円の価値があるのは、日本銀行が「1万円の価値があります」と保証しているからにほかならない。つまり「日本銀行の信用」が、その価値を裏付けているのだ。

悪いイメージのある「借金」だが、これだってまさに信用力の塊だ。「この人に貸しても、お金が確実に返ってくる」と信用してもらえないと、お金を借りることができない。

借金をしたことがない人はクレジットカードの限度額をイメージしてみてほしい。

クレジットカードをある程度の期間利用し、月々の支払いを滞りなく続けていると、それに応じて利用限度額もアップしていく。これはクレジットカード会社が、あなたには信用力があると判断した結果だ。そうしてあなたのクレジットカードはどんどん使い勝手がよくなっていくわけだ。

信用がお金をもたらし、お金が信用を増幅させる。単純な話だ。それが世の中のお金の仕組みである。

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