運に恵まれ成功する人と気づかずに逃す人の大差 点をつなぐ力「セレンディピティ」を知ってますか

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セレンディピティは日常生活の中にもあふれています(写真:JAI/PIXTA)

個人的な話なので大幅に端折るが、私は少年時代、“普通の人が体験しなくていいこと(むしろ、しないほうがいいこと)”をいくつか体験してきた。交通事故で死にかけたり、そのゴタゴタが一段落したと思ったら家が火事で全焼したり。

数年周期でなんらかの事件が起こるような感じだったので、かなりあとになるまで、「人生というのは何年かに一度、大きな事件が起きるものだ。したがって、安定は望めない」と“本気で”思っていた。

だから楽ではなかったし、多感な時期には「なんで自分ばかりが」というような気持ちになったりもした。けれども近年は、「いろいろあったからこそ、いまの自分があるのだ」と思えるようにもなった。どちらかといえば失敗のほうが多かったが、だからこそ数少ない(小さな)成功があったのだと考える余裕がようやく出てきたのだ。

ずいぶん時間がかかったなぁと呆れもするけれど、おそらくはこの“遠回りな感じ”が自分の人生のあり方なのだろう。『セレンディピティ 点をつなぐ力』(クリスチャン・ブッシュ 著、土方奈美 訳、東洋経済新報社)に強く共感できたのは、常日頃からそんなことを考えていたからだ。

思いがけない幸運な結果

<本書のテーマは、偶然と人間の志や想像力の相互作用、すなわち「セレンディピティ」だ。セレンディピティを定義すると「予想外の事態での積極的な判断がもたらした、思いがけない幸運な結果」となる。セレンディピティは世界を動かす隠れた力であり、日々のささやかな出来事から人生を変えるような事件、さらには世界を変えるような画期的発明の背後に常に潜んでいる。(「序章 セレンディピティ:世界を動かす隠れた力」より)>

もちろん私の体験など世界を変えられるようなものではなく、まさに“日々のささやかな出来事”にすぎない。しかし大切なのは、規模よりも当人のマインドセット(心構え)だ。なにかあったときに「どうせ~だから……」と愚痴ったり、「自分はこれだけやったのに……」と誰かのせいにするような人は少なくないし簡単なことでもあるが、端的にいえばセレンディピティとは、その対極に位置するものなのではないだろうか?

著者のクリスチャン・ブッシュ氏も、本書に登場する多くの成功者たちのように、“予想外”を成功やプラスの力に転換できる人はごくわずかだと指摘する。しかし、それを踏まえたうえで重要なのは以下の記述だ。

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