運に恵まれ成功する人と気づかずに逃す人の大差 点をつなぐ力「セレンディピティ」を知ってますか
偶然の出会いが「単発的な出来事」であるのに対し、セレンディピティは「プロセス」なのである。もちろんサプライズや偶然は重要な要素だが、あくまでそれは最初のステップ。それに続く次のステップが起きるか否かは、予想外の出来事を理解し、活用する能力にかかっているということだ。
別の表現を用いるなら、他の人の目には断絶としか映らないところに、つながりや橋を見出せるかどうか。そこが重要であり、だからこそ洞察力(雑多なものを選別し、そのなかから価値あるものを見つける能力)と粘り強さ(最後までやり遂げる力)が必要とされるのである。
だが、セレンディピティ・トリガーに気づかず、「それがなにと結びつくか」がわからなければ、セレンディピティの機会は失われてしまうことになるかもしれない。事実、起こり得たはずなのに、結果的にはそうならなかったというような偶然はいくらでもあるものだ。
スポーツジムで有名人に出会うとか、好みの相手を見つけるとか、なんらかのプロンプトが出ていたとしても、点と点を結びつけることができなければセレンディピティは未遂に終わってしまうわけである。
セレンディピティ・フィールドを豊かにする
セレンディピティが生まれやすい状況は、組織、人脈、物理的空間を見なおすことによって生み出せるものだとクリスチャン・ブッシュ氏はいう。セレンディピティ・マインドセットと適切な状況を組み合わせれば、セレンディピティが育つ「セレンディピティ・フィールド」は豊かになるということだ。
繰り返すが、セレンディピティについての重要なポイントは、それが「大それたこと」だけに機能するものではないということだ。誰も気づかなかったような大きな発見や、大きなビジネスチャンスもそうだろうが、同じように日常生活のいたるところにある“ちょっとした気づき”もセレンディピティにつながっていくのだ。
極論をいえば、その点――いかなる小さな発見でさえ無駄ではないということ――を理解しておくことこそが、セレンディピティと向き合ううえでもっとも重要なのではないか? 少なくとも私は、ことあるごとに共感しながら本書を読み進め、強くそう感じた。
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