法隆寺五重塔が「地震で全然倒れない」納得の根拠 東京スカイツリーにも導入されたすごい技術
ただし、そうはいってもメンテナンスは必要です。
法隆寺の南西に西里という地区があり、そこには代々専属の宮大工が住んで修繕を行ってきました。
釘を使っていないため、解体修理が簡単
興味深いことに、五重塔の構造は釘ではなく継ぎ手や仕口によって接合されているため、解体修理が簡単にできます。実際に13世紀や17世紀、20世紀にも大規模な解体修理が行われました。
逆に言えば、五重塔は最初の設計時から解体修理の可能性までを念頭において作られたということでもあります。天才的な先見の明といえます。
法隆寺の五重塔に使われた構造は日本各地にある寺院の塔に使われていますが、どの塔も火災で消失することはあっても、地震が原因で倒壊することは今までありませんでした。
この構造は現代の専門用語で質量付加機構といい、この仕組みを使った地震対策は心柱制振と呼ばれます。最近では東京スカイツリーの地震対応に採用されました。
スカイツリーでは中心を階段室という非常階段が貫いており、これが五重塔の心柱に対応していて、展望台の部分とつながっています(周囲の鉄骨造塔体とはオイルダンパーでゆるくつながっています)。
古代の高層建築に使われた日本の独自技術が、1000年以上の時を経て、最新の現代建築にも利用されているのです。
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