年齢、外見、職業、年収、居住地域、婚歴……。婚活は、候補者を自分なりの「条件」でふるいにかけてたった1人の結婚相手を選ぶ作業だ。当然、相手も同じことをしている。自分の条件に合った人の条件に自分が合って初めてお見合いができる、という対等な構造である。
婚活成功のポイントは2つある。1つは、できるだけ多くの相手から求められる条件をそろえることだ。当たり前と言えば当たり前だが、相手を探して吟味することに注力するあまり、自分も同じように比較検討されていることを忘れてしまう人が少なくない。特に身だしなみには気を付けたい。
もう1つのポイントは、条件を自分らしく絞り込むこと。あれもこれもと求めすぎるのは結婚に本気でない証拠だ。失敗を重ねて自分と真剣に向き合えば、どうしても譲れない条件とそうでないものが見えてくる。人生経験が豊かな人ほど、この条件は独特で赤裸々なものになりやすい。誰かのためでなく、自分が幸せになるための結婚なのだとわかっているからだろう。
「外見」ではない、ふたりの結婚の条件
結婚相談所を利用して今春に結婚を果たしたばかりの寺田文夫さん(仮名、44歳)と加奈子さん(仮名、46歳)は、舞台俳優同士のようなスマートで華のある外見と雰囲気を持つカップルだ。それぞれ30件以上のお見合いをこなして結婚にたどり着いた。その条件はお互いに「外見」ではなかったようだ。東京・西荻窪のアジア食堂「ぷあん」で結婚祝いのタイ料理を食べながら話を聞くことにした。
「僕は結婚に一度失敗しています。26歳で結婚して37歳のときに離婚しましたが、前の妻と娘とは一緒に暮らしたことがありません」
ぷあんの店主によれば、長い春雨を使った料理は末永く幸せな結婚の象徴らしい。ヤムウンセン(春雨サラダ)を自分の皿に取り分けながらいきなりぶっちゃけ話をしてくれる文夫さん。真面目すぎてうそをつけず、それがおかしみになっているような人物だ。
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