本場バーバリー日本上陸、高額商品の勝算 三陽商会との契約が終了、独自展開へ

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ただ、日本は、世界2位の富裕なマーケット。今後の攻め方次第で大きな可能性を秘めているというわけだ。

バーバリーは、新たに別格の商品を引っ提げ、17年3月期には日本事業で売上高1億ポンド(約180億円)、利益2500万ポンド(約45億円)を目指す。さらに中長期的には日本市場での売り上げを全体の10%程度にしたいとしている。

店舗数は17年3月期までに、百貨店内を含め、30~55(現在16)を計画。ペリエ氏は「ラグジュアリーブランドとしては、三陽商会が保有する300店は露出が過多だった。立地を厳選していきたい」と今後を語る。

中でも旗艦となる路面店を重視。現在の表参道、銀座、六本木、神戸に加え、今年春に心斎橋、秋には新宿への出店が決定している。

百貨店側には期待と不安が交錯

はたして新バーバリーは日本で受け入れられるのか。実はこの冬、三陽のバーバリーコートが売れている。ライセンス切れを前に、駆け込み買い現象が起きているのだ。

ある百貨店関係者は「日本人はあのチェック柄などバーバリーが大好き。特に地方百貨店では核テナントになっていた。が、価格の上昇を考えると、今後は従来ファンの多くは離れていかざるをえないだろう」と不安視する。

一方、別の百貨店関係者は、「英国ブランドで圧倒的ナンバーワン。売り場を提供する百貨店と協力関係が築ければ、新たな優良顧客を獲得できる」と期待を寄せる。

世界で成功した直営モデルは日本で通用するか。期待と不安が交錯している。

「週刊東洋経済」2015年2月7日号<2日発売>「核心リポート03」を転載)

藤尾 明彦 東洋経済 記者

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ふじお あきひこ / Akihiko Fujio

『週刊東洋経済』、『会社四季報オンライン』、『会社四季報』等の編集を経て、現在『東洋経済オンライン』編集部。健康オタクでランニングが趣味。心身統一合気道初段。

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