本場バーバリー日本上陸、高額商品の勝算 三陽商会との契約が終了、独自展開へ
英国バーバリーと三陽商会にとって運命の日が近づいている。
1970年以降、バーバリーは日本におけるバーバリーブランドのアパレル商品の企画・製造・販売ライセンスを、三陽商会に供与してきた。だが、今年6月に契約が終了し、約半世紀続いた蜜月の関係は区切りを迎える。以後、日本のブランドは、バーバリー自らが手掛ける。
派生ブランドとして三陽商会が90年代に立ち上げた「バーバリー・ブルーレーベル」「同ブラックレーベル」に関しては、バーバリーを象徴するチェック柄を継続使用するため新たにライセンス契約を結ぶが、「バーバリー」の名称やロゴは使わず、新名称で再スタートする。バーバリーブランドが抜けることで、三陽商会は営業利益で2014年12月期の87億円から15年12月期の2億円へと、業績の急縮小を想定している。
一方、バーバリーにとっても、短期的には日本事業の収益落ち込みは避けられない。前14年3月期、日本からのライセンス収入は6200万ポンド(約110億円)で、安定収益源となっていた。
しかし、7月からは三陽商会が保有する、300以上のバーバリー売り場を失う。15年1月時点でバーバリーの直営店は16店(路面店4、百貨店内12)。今後はそれを独自に増やす必要がある。
世界で直営化を進めるバーバリー
それでも日本事業の直営化は既定路線だった。バーバリーは2000年、スペイン事業のライセンス供与を中止したことを手始めに、世界各国で直営化へと舵を切る。三陽商会による展開で市場に定着していた日本は、残された最後の1ピースだった。
直営化を進める前のバーバリーは、国ごとに品質のバラツキが生じ、ブランドイメージを毀損していた。それを「ラグジュアリーブランド」として世界中で統一。直営化の目的はその点にあった。
バーバリーがいう「ラグジュアリー」とはどう意味か。アジア太平洋地域CEO(最高経営責任者)のパスカル・ペリエ氏は、「長い歴史があり、熟練の職人技に裏打ちされた、最高の品質を備えていること」と説明する。
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