職人軽視の日本人が、建設業をダメにする

夢や誇りを持てなければ若者は集まらない

前田建設の子会社、JM(代表取締役社長・大竹弘孝氏)は、小口修繕サービスを効率的に提供するために職人に途切れなく仕事を与え続けられるビジネスモデルを構築してきた。セブン-イレブン・ジャパン、日産自動車、ユニクロ(ファーストリテイリング)、出光興産などの法人ユーザーと契約して定期点検や小口修繕、リフォームなどの仕事をJM本部のコールセンターで集約。全国57社のフランチャイズ店と専属の職人4800人、臨時の職人1万人で効率的に工事が行なえるようにITの活用を積極的に進めている。

JMでは、2014年に専属職人を対象に3000台のタブレット端末「JMパッド」を配布した。従来も本部のコールセンターに問い合わせれば仕事の紹介や作業指示をしていたが、「JMパッド」のアプリ『検索くん』を使えば、職人自らがやりたい仕事を検索できる。

能力が高ければ稼げる仕組み

 タブレット端末「JMパッド」を操作する専属職人(写真:)

「予定の仕事が午後3時に終わって、もう1件くらい仕事がしたかったら、今いる場所から近くの仕事の一覧を検索し、業務内容や報酬額で選んでタッチすれば、その仕事を請け負える。一定量の仕事をしたうえで、能力の高い職人はさらに稼ぐことができる」

「JMパッド」にはさまざまなアプリが搭載されており、コンビニのPOS端末のように、職人が効率的に仕事をするのに欠かせないツールとして進化させていく考えだ。

「フランチャイズを回った時、若い職人が『自分でも住宅ローンが借りられ、家を建てられた』と聞いて嬉しかった」と、大竹社長。安定した収入がなければ、いくら家を建てる技能があっても、自分の家すら建てられない。

国が進めている富士教育訓練センター(静岡県富士宮市)の拡充など若年労働者の教育・訓練体制の強化も大切だが、若者が将来に夢を持てる建設業をどう実現するか。自動車のような製造業との人材獲得競争はこれからますます激しくなる。

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