中国「ロックダウンで物流大混乱」日本への影響度 EMSの代替先を探し問い合わせ殺到の企業も

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
SFホールディングスの日本法人の倉庫には中国向けの多くの荷物が積まれている(筆者撮影)

新型コロナウイルスの流入に徹底抗戦する中国のゼロコロナ政策によって、現地の物流網は麻痺し、日本経済への影響も広がっている。日本郵便は上海のロックダウンを受け、EMS(国際スピード郵便物)と航空便と船便による小包の取り扱いを停止した。

中国物流最大手「順豊控股(SFホールディング)」の日本法人には、EMSの代替先を探す日本人消費者のからの問い合わせが殺到し“特需”が起きている。だが実際の配送は簡単ではなく、社員総出で現地の情報収集と顧客対応にあたっている。

「GW明けの週の売り上げが例年の1.5倍近くに増えた。増加分の多くが個人のお客様で、日本郵政がEMSを停止した影響だと思う」そう話すのはSFの日本法人ケリーロジスティクスジャパン(5月1日にSFインターナショナル・ジャパンから社名変更)でセールス&マーケティング本部長を務める坂本幹夫氏だ。

EMS停止後に一気に増えた問い合わせ

SFは中国最大の物流企業で、日本で言えばヤマト運輸のような存在だが、日本人消費者の知名度は高くない。ところが、上海のロックダウンの影響で、日本郵便が中国宛ての小包郵便物とEMSの取り扱いを4月22日に停止して以降、何とか荷物を送りたい人々の問い合わせが急増した。

コールセンターを統括する許儷珏さんによると、通常は1日120~150件の問い合わせが、EMS停止後は350件に増えた。1件あたりの通話時間も3倍以上に伸びている。

「お客様の第一声が『中国向けは今送れますか?』『何日くらいかかりますか』。こちらからは地域や商品を確認します。EMSは内容品が20万円以下のものは原則として輸出入申告の必要がないのですが、当社のような貨物事業者は正式通関が必要になります。個人のお客様は通関を意識せずEMSを使っていることが多いので、通関や関税の説明などにも時間がかかっています」(許さん)

次ページマスク危機依頼の忙しさ
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事