ただ、ここで終わらないのが日本仕様のGRカローラだ。今回、日本仕様の登場に合わせてお披露目されたのが、より走りに特化した特別なモデル「モリゾウエディション」だ。その内容は、東京オートサロン2022で発表された「GRMNヤリス」を超えるレベルである。
エクステリアは専用色・マッドスティールのボディーカラーに加えて、ウィンドシールドガラスにモリゾウサインをプラス。インテリアは専用セミバケットシートやウルトラスエードのステアリング、鋳物ブラックの加飾などを採用するが、それに加えてリアシートレスの2シーター仕様。これにより約30kgの軽量化となるが、3ドアのGRMNヤリスならまだしも5ドアボディーのGRカローラでやってしまうとは……驚きしかない。
エンジンはさらにパワフル、6速MTにも手が入る
メカニズムもシッカリ手が入っており、エンジンのトルクアップ(370→400Nm)による加速性能アップに加えて、6速MTは1~3速のクロスレシオ化(3.538/2.238/1.535→3.214/2.238/1.592)とファイナルのローギアード化(4.058(1~4速)/3.45(5-6速、後退)→4.250(1~4速)/3.758(5-6速、後退))により、動力性能アップと気持ちよいギアのつながりを実現している。
車体はさらなる剛性アップのために構造用接着剤追加(3.3m)とボディー補強ブレースの追加。サスペンションはフロント・倒立式モノチューブダンパー、リア・モノチューブダンパー採用の専用セッティングに加えて、タイヤは245/40R18サイズのミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2を採用。コーナリング性能の向上により「お客様を魅了する野性味」「気持ちが昂り、ずっと走らせていたくなる」乗り味になっているそうだ。
発売はRZがカタログモデルとして今年の秋ごろ、モリゾウエディションが今年の冬ごろに台数限定で発売予定(予約抽選は秋ごろから受付)。価格は現時点では未発表だ。筆者は車体/プラットフォームが専用のGRヤリス(4WD車で396万~456万円、ヤリス4WDガソリン車が183万1000~216万9000円)に対して、GRカローラはカローラ スポーツ4WDガソリン車の240万~276万4000円との対比で考えると、意外とリーズナブルな設定になるのではないか……と予想している。
豊田社長はGRカローラについて「多くのお客様に愛していただけるクルマだからこそ、絶対にコモディティーと言われる存在にしたくない。お客様を虜にするカローラを取り戻したい」と語るが、それどころかクルマ好きなら誰もが憧れる“最強のカローラ”の誕生と言っていいかもしれない。
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