「GRカローラ」遂にベールを脱いだ日本仕様の全貌 隠し球の限定車「モリゾウエディション」も登場へ

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続いて、青年時代だ。16歳で免許を取った章男青年が大学卒業後に自分のお金で初めて買ったのがカローラ1600GT(TE71)だった。見た目は普通のセダンだがエンジンはレビンと同じ1.6L-DOHC(2T-G)を搭載する、いわば“羊の革を被った狼”と言っていいクルマだが、氏は「忘れられない青春時代の思い出が詰まったクルマ」と語っている。

そして社長となった現在である。カーボンニュートラル実現のための選択肢の1つとして、モータースポーツ(S耐)の場を活用しながら開発を進めている水素エンジンの開発車両はカローラ スポーツだ。実はカローラをベースにすることにいちばんこだわったのは豊田社長である。恐らく、トヨタの新たな挑戦をトヨタのベストセラーで行うことに意味があると考えたのだろう。要するに「ロングセラーだからこそ変わらなければならない」「次世代に向けて生き残る必要がある」という、トヨタ変革の象徴にするべきだと。

ちなみに水素エンジンカローラの開発はGRプロジェクト推進部の坂本尚之チーフエンジニアが担当する。筆者は何度か話を聞かせてもらっているが、昨年のS耐最終戦(岡山)のときにこのようなコメントを残していた。

水素カローラとGRカローラの開発がリンク

「このプロジェクトは水素エンジンだけでなく『カローラを鍛える』というミッションも含まれています。そのためシャシー側の進化は量産へのフィードバックも視野に入れた開発を行っています。実は来年(2022年)は本業のほうが忙しくなるので、全戦帯同できるかわからないんですよ……」

このコメントの意味が理解できたのは、今年4月に北米でGRカローラが世界初公開されたときだ。この発表会に坂本氏はGRカローラの開発責任者として登壇。実は坂本氏が水素カローラのプロジェクトに参画していた理由はGRカローラ開発のためでもあったのだ。

改めて坂本氏に話を聞くと、「実は以前からGRカローラの開発は進めていましたが、社長から『スポーツカーとしては野性味が足りない』という評価で企画は頓挫……。その一方で、それとほぼ同じタイミングで水素カローラのプロジェクトが立ち上がりました。

この2つの転機が偶然重なったことで水素カローラとGRカローラの開発がリンク、さまざまな検証・評価を極限状態(=サーキット)で通常の開発を超えるスピードでアジャイルに行えるようになりました。この1年があるかないかで、クルマの仕上がりは全然違ったと思います。これは意図したものではなく完全に“神がかり”のような巡り合わせで、そのキッカケを生んでくれた社長は本当に“何か”を持っていますね」と教えてくれた。

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