バイデンの台湾防衛発言を「失言」と見る人の盲点 何度も繰り返している発言を失言と呼べるのか

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バイデンが大統領に就任してから、台湾を軍事的に防衛すると発言したのは今回が初めてではない。歴代大統領は伝統的に台湾防衛に曖昧な態度をとってきた。アメリカの出方について中国があれこれと臆測しなければならない状況を作りだし、自らも台湾防衛のコミットメント(約束)に縛られないようにするためだ。だが、バイデンが台湾を軍事的に防衛すると語ったのは、今回で実に3回目。そのため、ホワイトハウスの火消しは難しくなっている。

「バイデンはこれまでも一貫して、ほとんどの政治家よりもオープンに本音を口にしてきた」。そう語るのは、バラク・オバマ政権で大統領の上級顧問として、当時副大統領だったバイデンを間近に見てきたデビッド・アクセルロッドだ。

「誰しも強みが弱みとなる。彼の強みは、信用できる人物であることだ。だが、ときとしてスタッフが言ってほしくないと思っていることについてまで自分の考えを口にしてしまう傾向があり、この点が彼の弱みとなっている」。

バイデンをよく知る人には驚くことではない

もっともこうしたことは、上院議員、副大統領として半世紀近くに及ぶバイデンの政界でのキャリアを把握している者にとっては、さして驚くようなことではない。

アメリカ政治の辞書で「失言」の定義を調べると、その下にはバイデンの写真が載っている、といったような状況が長年にわたって続いていた。実際、バイデンは「失言マシーン」と広く呼ばれていた。愛を込めてそう呼ぶ人もいれば、バカにしてそう呼ぶ人もいた。

ところが、大統領として気ままに発言すると、上院議員、さらには副大統領だったときよりも重大な結果がついて回ることになる。大統領の発言は、その意図と今後の行動を探ろうと、世界中の政治家、外交官、情報機関から徹底的かつ緻密な分析の対象となるためだ。過去の発言や政策に関する公式の声明と少しでも食い違う点があれば、大きな注目の対象となる。実際に注目する価値があるのかどうかに関わらず、だ。

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