中国EC大手、「コロナ再流行」で売上伸長に苦戦 京東集団、個人消費低迷や物流混乱が逆風に

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京東集団の1~3月期決算には、新型コロナの再流行が中国の個人消費に与える負の影響の大きさが反映された。写真は北京の本社ビル(同社ウェブサイトより)

中国の電子商取引(EC)大手の京東集団(JDドットコム)は5月17日、2022年1~3月期の決算を発表した。同四半期の売上高は2397億元(約4兆5581億円)と、前年同期比18%増加。だが、この伸び率は中国国内で新型コロナウイルスが大流行した2020年1~3月期の20.75%を下回り、京東集団にとって四半期ベースでは株式公開以降の最低値だった。

1~3月期の純損益は、前年同期の36億元(約685億円)の黒字から30億元(約570億円)の赤字に転落した。その主因は、子会社の宅配サービス大手、達達集団(ダダ)の株式評価額の見直しに伴う損失36億元を計上したことだ。

なお、一時損益などを控除した非アメリカ会計基準(Non-GAAP)ベースで見ると、1~3月期の純利益は40億3200万元(約767億円)と、前年同期の39億6800万元(約755億円)をわずかながら上回った。

京東集団の売上高の伸び悩みは、中国国内の個人消費の低迷や物流の混乱など、(新型コロナウイルスの流行再拡大によって)経済環境が全体的に悪化している影響が大きい。中国国家統計局のデータによれば、国内のインターネット小売り販売額は2022年1~3月期は前年同期比6.6%の増加にとどまり、2020年6月以降の最低値を記録した。

オンラインにもオフラインにも逆風

「新型コロナのオミクロン変異株は感染拡大のスピードが(それ以前の変異株よりも)さらに速い。そのため流行の影響がより多くの都市や消費者に及び、サプライチェーンへの打撃も大きい」

京東集団のCEO(最高経営責任者)を務める徐雷氏は決算説明会で、新型コロナの再流行が同社の小売り事業に及ぼしている影響についてそう述べるとともに、次のような見解を示した。

「2年前の最初の流行時には、(厳しい防疫措置の下で)消費者の購買行動がオフラインからオンラインにシフトし、EC業界にとっては有利に作用した。しかし今回の再流行は、オンラインでもオフラインでも消費の逆風になっている」

本記事は「財新」の提供記事です

新型コロナの再流行は、中国の消費者の収入を減少させ、将来に対する自信をくじき、個人消費を全体的に低迷させている。徐氏によれば、なかでも単価の高い商品の販売が大きく落ち込んでいるという。

「4月から5月にかけて、わが社の(通販サイトの)アクセス数とユーザー数は増加した。ところが、ユーザーの注文1件当たりの販売額は前年同期より低下してしまった」(徐氏)

(財新記者:沈欣悦)
※原文の配信は5月17日

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