パンデミックでも好調の米小売り株ついに躓く インフレ抑制のための金融引き締めがとどめさす

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米小売り大手は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)期の強気相場を通じて好調だったが、ついにつまずいた。

18日の米株式市場でディスカウントチェーン大手ターゲットの株価は25%安と、1987年のブラックマンデー以来の下落率を記録した。その前日にはウォルマートが類似の状況に陥った。インフレ加速が米消費者にとって痛手となり、企業の利益率が損なわれている兆しだ。S&P500種株価指数の業種別指数で小売りは7%余り下落。S&P500種全体も4%下げ、弱気相場入りに近づいた。

米カリフォルニア州のターゲット店舗(5月11日)Photographer: David Paul Morris/Bloomberg

景気刺激を狙った政府の個人給付で潤沢な現金を有し、保有株の値上がりで大いに潤った消費者がパンデミック後に思いのまま支出する中で、衣料品や自転車、住宅リフォーム用品などさまざまな小売企業は毎四半期のように黒字を確保してきた。しかし今では米金融当局がインフレ対策で引き締めに乗り出し、小売業界はもはや高い株価評価に見合う利益を生み出せなくなっている。

ターゲット、ウォルマートが通期見通しを下方修正

ターゲットの株価終値は2020年11月以来の安値となり、ウォルマートは同年7月以来の安値だった。両社ともコスト高を理由に通期見通しを下方修正した。

FBBキャピタル・パートナーズの調査担当ディレクター、マイク・ベイリー氏は「小売り大手で今週目にしている状況は、リセッション(景気後退)が市場全体にとってどんな感じになりそうかを知る手掛かりかもしれない」とし、「消費者は最も価値があると見なすものに手持ち資金を使っていることが分かる」と話した。

キャンター・フィッツジェラルドの株式デリバティブ(金融派生商品)・クロスアセット担当責任者、エリック・ジョンストン氏も「ウォルマートとターゲットの数字は企業の利益率がパンデミック前の水準に戻る一方、消費者が生活必需品以外の購入を減らしていることが示されており、非常に懸念される」と指摘した。

原題:

Markets Lose Earnings Bulwark, Plunge 4% as Retailers Buckle(抜粋)

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著者:Vildana Hajric、Katrina Lewis

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