シェール開発、早すぎたバブルの終焉 環境破壊、原油下落…米国生産現地ルポ
カナダ・アルバータ州北部のオイルサンドとテキサス州の製油所を結び、一日当たり83万バレルの原油を輸送する計画。パイプラインは全長2700キロ超で、南側は完成し、送油を始めている。
大量消費信仰が変わる
焦点となっているのは、米国とカナダの国境をまたぐ北側半分で、州政府が敷設を認可していないところもあるほか、6年にわたり、反対運動で計画が宙に浮いたままであることだ。
しかし、保守派でエネルギー業界との結びつきが強い共和党が多数派の議会は、キーストーン計画の承認法案を採決する意向だ。オバマ大統領は、同法案が可決された場合は拒否権を行使する意向を示唆。それに期待をかけた反対派が、デモを繰り返している。これも10年前であれば、全米規模には及ばなかった運動だ。
世界有数の石油産出国で、大量消費に対する信仰が強い米国が変われば、エネルギー問題で、世界に影響を及ぼすことも可能になる。
人口わずか3万人の大学街イサカの住民は、それを信じて、フラッキングの全州における禁止を提案した。今後も、温暖化ガス削減の動きの中で、新たな挑戦に挑んでいくに違いない。(=文中敬称略=)
(ジャーナリスト・津山恵子)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら