シェール開発、早すぎたバブルの終焉 

環境破壊、原油下落…米国生産現地ルポ

バンバーガー・オズワルド夫妻の自宅前に立てられたフラッキング反対の看板。屋根には大型のソーラーパネルが見える。美しい自然に囲まれ、環境問題に対する住民意識が高いイサカ地域。原発建設計画を廃止に追い込んだことも
エネルギーの「革命」とまでもてはやされたシェールガス。過ぎ去りつつあるブームは、米国人の意識の確実な変化も示している。

「このシェール(頁岩<けつがん>)は、何百万年も前に形成されて、天然ガスが含まれていた層だ。破片を分析すれば、すぐにそれが分かるよ」

と、米コーネル大学石油技術博士アントニー・イングラフィア(67)。

シェール崖の前に立つイングラフィア。建設中の新家屋は、ソーラーパネルなどを使い、温暖化ガス排出ゼロを目指して注目されている

地面と水平に横に裂けて重なった、古城の壁のように美しい表面に、雪とつららがちりばめられたシェールの崖が、深い滝つぼと真っ白に凍った川の両側に広がる。

彼が住むのはニューヨーク・マンハッタンから約350キロ北西にあるコーネル大の城下町、ニューヨーク州トンプキンズ郡イサカ(人口約3万人)。米北東部の5州にまたがる広大なマーセラス・シェール層(約480万ヘクタール)が地下に眠る。

「北部にある小川で、マッチの火をかざすと水面に火がつくところがあるのよ。天然ガスが水面に薄く漏れているのね」

同地域の環境団体「サステイナブル・トンプキンズ」のゲイ・ニコルソン会長(62)もこう語った。

住民と業界に衝撃

こうした話は、米国の地底がいかに天然ガスに恵まれたシェール層に覆われているかを物語る。しかし、それを地面から抽出することがいかに危険なことか。イサカ周辺の住民は2009年頃から学習して行動を起こし、ニューヨーク州政府にシェール開発の禁止を働きかけた。

昨年12月17日、クオモ同州知事は、健康への懸念がある上、経済効果が見込めないとして、シェール開発で使われているフラッキング(水圧破砕)法を州全域で禁止する方針を示した。

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