大学生の就職難が大きな話題となっているが、リクルートが実施した調査で、生徒の進路指導を難しいと感じる高校が9割超に達していることがわかった。この調査は2010年10月、同社が『キャリアガイダンス』を発送している全国の高校を対象に実施。4981校中1208校、24.3%の有効回答を得ている。
進路指導について、非常に難しいと感じている高校は38.4%と、2008年の前回調査から4.6ポイント増加。やや難しいと感じている54.4%と合わせて、進路指導に困難を感じている高校は92.8%、同1.4ポイント増えた。大学・短大への進学率別にみると、非常に難しいと感じている割合は、進学率40%未満の高校で52.6%と大幅に増加、就職環境が悪化していることがうかがえる。
難しさを感じる要因としては、「生徒の進路選択・決定能力の不足」が2年前と同様に1位だが、「保護者の家庭・家族環境の悪化」が増加し2位となるなど、景気悪化の影響が出てきている。また、「産業・労働・雇用環境の変化」が同8.1ポイント増の53.7%、「高卒就職市場の変化」が同21.9ポイント増の45.9%と急増。「日々変わる社会情勢のため、将来の職業や人生設計を含めた指導が困難になってきた」「生徒の望む職業と求人のギャップがある」など、高校の進路指導の場でも、構造変化に対応できない日本の姿を垣間見ることができるようだ。
(『東洋経済 統計月報』編集部 =週刊東洋経済2011年2月19日号)
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