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東京⇒ロンドン、33歳の私が痛感した男女不平等 制度は整っていても表面を削れば偏見が顔を出す

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  • 鈴木 綾 ロンドンの会社員、エッセイスト
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普段から心の中に秘められている偏見やバイアスに直面させられることは、考え方の変化を起こすために不可欠な不愉快。全員男性のパネル・ディスカッションを見て違和感を覚えなかったときはそういう瞬間だった。そして、冒頭の彼との会話もそう。

「フェミニズムってよくわからない」と言われて、一瞬体がかたまって何も返せなかった。なんとか「だけど、だけど女性にはいろいろなことが……」と誤魔化す。

うん、一言で表せない、私が経験してきた「いろいろなこと」。

彼とはきちんと話ができなかった

「母はずっと働いているけど、彼女は性差別とか、そんなの経験したことないよ」

「うーん、それはあなたに言ってないだけなんじゃないの……」

私は小さな声で返した。

「綾にとってフェミニズムって大事なことだってわかっているけど、僕にはちょっと理解できないな」と彼は肩をすくめてもう一度そう言った。

デザートが出てきたので、私はそのタイミングで話を変えて、あとはたわいのない無難な話題で彼と話を続けた。

彼が支払いを済ませたので、「ごめん、体調がちょっと……」と言い訳をしてウーバー(タクシー)を呼んだ。彼は私が体調不良ということに(つまり、その夜は彼とセックスをしないことに)びっくりして、心配そうな顔になった。デートで最も感情を示したのはそのときだった。でも、彼は私の決断に抵抗しなかったし、私のウーバーが来るまで紳士的に待ってくれた。

ロンドンアイやビッグベンなど、テムズ川沿いの観光地をウーバーの窓からぼんやり眺めた。ロンドンに引っ越してからそういうところに行く暇はなかった。旅行で見る街と住んで見る街は違うよねー、とデートのことを忘れるために自分で自分に語りかけた。だけど彼の言葉と自分への不満をどうしても振り払えなかった。

なんで、きちんと「フェミニズム」について話ができなかったのか。

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