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1億円積まれても冷蔵庫は絶対に使わない理由 「ご先祖様からの知恵」の圧倒的合理性に学ぶ

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そして「貯めておけない」ことにはさらに別の大きなメリットがありまして、何かの機会にいただき物などをしたり、あるいは激安野菜をまとめ買いなどして必要以上のものを手に入れてしまった場合、四の五の言うてる間もなく惜しみなく人にあげるしかなくなってしまうということである。

だって惜しんでいる間に腐らせちゃうこと確実となれば躊躇もなにもない。ラグビーのパスのごとく、回ってきたら即座に誰かに回す。いやはや私、こんな「気前のいい人」になったのは人生初であります。

実を言うと私って案外ケチな人間なんじゃないかとずっと密かに悩んでいたんだが、全然そんなことなかったのだ。悪いのは私じゃなくて冷蔵庫だったんである。貯めておける冷蔵庫クンがいたばっかりに、すべてを独り占めしようとして冷たい箱の中に何もかも溜め込んでいた。

でもよく考えてみればいくら美味しいものだってずっと食べていれば飽きてしまうのであり、結局は放ったらかしになって少なからぬものを腐らせ捨ててきたんである。

それが今や、冷蔵庫と縁を切ったおかげで近所でも「イナガキさんって気前がいい」という評価が高まっておりまして、気づけば多くの人に愛され、お返しも日常的にいっぱいもらって、すなわちわが人生は明らかに好転を始めたのだ!

「貯める」ことの恐ろしさ

いや……こうなると、なんでもっと前からこれができなかったかなと思わずにはいられない。今にして思えば、冷蔵庫はあらゆるものを腐らせない装置のはずが、現実にはあらゆるものを腐らせる装置ではなかったか。ものを腐らせ、人間関係を腐らせ、自分の心も腐らせていた。

改めて「貯める」ということの恐ろしさを思う。

貯めるということはものを一箇所にとどめおくということだ。滞留させるということだ。それは確かに、何が起きるかわからない世の中で、まさかの時の備えとして大切な行動には違いない。

でも結局、滞留しているものはいつかは腐るのである。だから一時的に貯めておくとしても、適切な時期に手放すことを忘れてはならないのである。でも「貯められる」となると、この「手放す」ってことが案外難しいんですよね。で、結局はいつまでも貯めておき、腐らせてしまうのである。

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