中国の通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)は4月26日、本社を置く広東省深圳市でアナリスト向けの年次イベントを開催した。そこで基調講演を行った輪番董事長(交代制の会長職)の胡厚崑氏は、同社が目下多くの困難に直面していると強調。生き残りのために堅実な経営に徹し、とりわけ取引の質を重視する方針を明らかにした。
「地政学的な対立や、為替レートの乱高下、新型コロナウイルスの世界的大流行、コモディティー相場の高騰、グローバルなインフレ進行など、われわれはさまざまな困難への対応を迫られている。これらのすべてが、ファーウェイにとって想定しうる、あるいは想定しえない落とし穴になる可能性がある」(胡氏)
ファーウェイが今年直面している困難は、昨年より減っていないばかりか、経営の外部環境の変化がさらに多くの困難をもたらしている。それゆえにファーウェイは、質の低い取引や質の改善が見られないプロジェクトを放棄しなければならないというのが、胡氏の見解だ。
「自社だけですべては解決できない」
同社の数ある困難のなかでも、事業への影響が最も大きいのが半導体の調達難だ。ファーウェイはアメリカ政府の制裁強化のために最先端の半導体を入手できず、(スマートフォン事業などが)業務を継続できなくなるリスクにさらされている。
この問題に関するアナリストの質問に対し、胡氏は「半導体業界の分業体制を信じており、自社の半導体工場を建設する計画はない」と明言した。
また、ファーウェイの常務董事(常務取締役に相当)を務める汪涛氏は、胡氏の発言を補足して次のように述べた。
「半導体業界のサプライチェーンは高度に分業化されており、ファーウェイを含むいかなる企業も、自社だけですべての(工程を手がけて)問題を解決することはできない。サプライチェーンの川上から川下までの企業が、協力して解決にあたる必要がある」
一方、ファーウェイのコンシューマー向け事業の(スマートフォン事業に代わる)新たな柱として注目を集めているのが、自動車関連事業だ。胡氏はその現状について、アナリストの質問にこう回答した。
「ファーウェイは自動車業界の新参者であり、自ら掲げた目標を達成できなかったとしても、少し大目に見てもらいたい。われわれは(自動車業界の)さまざまなことを学ばなければならず、少なからぬミスを犯すだろう。それは(経験を積むために)避けられないことなのだ」
(財新記者:張而弛)
※原文の配信は4月27日
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