かわいらしい寿老人
身長72.5センチの『色絵寿星立像』は七福神の寿老人(寿星)をかたどったもの。長寿の象徴である寿老人が、これまた長寿を表す桃を手に載せている。
「やさしそうな目、にっこりほほ笑んだ口元、いかにも福をもたらしてくれそうな顔です。道八はとにかく顔の表情がすばらしい。タヌキもヤギも於福も、生き生きとした顔に注目して見てください」
この像は1908年、瀬戸内海の塩業で栄えた岡山の野﨑家の当主が還暦を迎えた際に、従業員らがお祝いとして贈ったものだ。野﨑家のコレクションには道八の作品がいくつもあり、そのうち9件が今回出品されている。
野﨑家ばかりではなく、道八の作品は現在の鳥取県智頭町の大庄屋の石谷家、長野県須坂市の豪商の田中本家などにも伝わっている。
とはいえ、道八についての資料は少なく、経歴などいまだにわからない部分が多いという。今回の展覧会は、茶道具、煎茶道具、鉢、置物など、各地に散らばった作品を集めることで道八の実像に迫ろうという試みだ。
ボストン美術館のモース・コレクション日本陶磁から12件が里帰りするほか、道八の父である初代高橋道八、弟の尾形周平、子孫息子の三代高橋道八の作品、同時代の名工の作品も展示され、謎の陶工の横顔が見えてくる。動物の焼き物は、タヌキやヤギのほかにも猫、うさぎ、猿などがあり、心和む展覧会になっている。
東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
TEL 03-3479-8600
10:00~18:00(金・土曜は20:00まで、入館は閉館の30分前まで)
火曜休み
一般1300円、大学・高校生1000円、中学生以下無料
(きもので来館、ホームページ限定割引券提示、携帯・スマートフォンサイトの割引券画面提示、国立新美術館か森美術館の企画展チケット提示のいずれかで100円割引)
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