これがデジタル時代のポルノ雑誌だ! アートとエロの華麗な合わせ技
「ポルノ」と言えば、昔は『プレイボーイ』や『ペントハウス』を初めとする成人誌のことだった。店では子供の手が届かない高い棚に置かれ、客はこそこそと買って帰ったものだ。
『プレイボーイ』や『ペントハウス』が毎月、500万部かそれ以上売れていたのはそう昔の話ではない。文化の一翼を担う存在としても認められ、1986年には図書館が目の不自由な人たち向けに『プレイボーイ』を点訳するのを認めないことは、連邦議会が言論の自由を制限することを禁じた合衆国憲法修正第1条に違反するとの判決も出た。
ネットの無料画像で大打撃、だが……?
だが成人誌はインターネットに氾濫するヌード画像により大きな打撃を受け、発行部数は急減している。『ハスラー』誌を創刊したラリー・フリントは昨年夏、印刷媒体としての同誌の先行きはもはや長くないだろうと語った。
こうした老舗成人誌がネットへの進出を図る一方で、新たなタイプの成人誌が、専門誌を扱う店や独立系書店で売れ行きを伸ばしている。
新しいタイプの成人誌の数は10を超え、スタッフのほとんどが女性という編集部も少なくない。どの雑誌もヌード写真にアートやファッション、哲学を組み合わせて誌面を作っている。米国の『アダルト』に『25』、フランスの『イレーヌ』にオランダの『エクストラ・エクストラ』など……。
もちろんどの雑誌もヌード写真には力を入れている。だが同時に、成人誌をマットレスの下に隠すものからおしゃれなコーヒーテーブルに似合うものへと生まれ変わらせようとしている。