魅惑の「ブサかわ」芸術、仁阿弥道八の魅力 触れてみたくなる可愛らしさ

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「仁阿弥の手がけた炉蓋は、京都・建仁寺の塔頭(大寺の山内にある小寺院)にも伝わっています。仁阿弥は塔頭の永源庵や両足院の住職と昵懇の仲で、作陶の勉強のために、塔頭に伝わる古い朝鮮陶磁などを見せてもらうことがあったようなのです。現在の建仁寺と塔頭に伝わるやきものの中には、古陶磁拝見のお礼に納められた作品もあったと考えられています」

触れたら温かそうな動物を暖房器具に

こちらのヤギは、背中の蓋から炭火を入れ、手をかざして温めるもの。耳などに穴が開いていて、熱せられた空気が抜けるようになっている。ちょうど猫ぐらいの大きさで、思わず頭をなでてみたくなる。

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『白釉山羊手焙(はくゆうやぎてあぶり)』仁阿弥道八 江戸時代 19世紀 正伝永源院

「触れたら温かいであろう動物を、手あぶりという暖房器具に仕立てるところが面白い。造形力もすばらしい。のびのびと表現しています。

道八は技術力と同時に、見る人の口元をほころばせ、かわいい、面白いと言わせる力を持っていました。お茶会の緊張した雰囲気の中でこういう道具が出てくると、場が和んで話がはずんだのではないでしょうか。

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