45歳以上「高学歴男性」が持っていない3つのモノ データでわかった中高年男性特有の生きづらさ

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結果として、再就職はせずに、今勤めている会社で役職定年や、定年後も働き続けることで、高かった意欲が低下してしまう中高年男性も少なくないのではないだろうか。高学歴中高年男性が、活躍し続けられる企業の制度の在り方や、社会の環境づくりが問われている。

同調査ではまた、高学歴な男性の私生活についても尋ねたところ、居場所、友人、趣味がない男性が多いことが明らかになっている。

現時点で定期的に人と交流するために行く場所(家と職場は除く)がない男性は約7割にのぼり、趣味をもっていない男性、読書をしない男性も少なくない。

さらに、友人の数をみると、「自分よりも年齢が10歳以上若い友人の数」「悩みごとを相談できる友人の数」「SNSなどでやりとりする友人の数」では0人が最も多く、過去1年以内に新しい友人や親しい知人を作った男性は、約3割にとどまっている。

「地域」の人と食事をしたことがない男性は72 .9%にのぼり、「学生時代の友人」や「社会人になってからできた友人」とも食事をしていない男性も約3割存在している。地域の人だけではなく、友人とも食事をする機会が少ないのである。

日本は、週 49時間以上働いている労働者の割合がヨーロッパ諸国に比べて高く 、男性については特にその割合が高い。家庭内で経済的責任を担うケースが多く、生活全般に占める仕事時間が長いことで、私生活の時間が確保できないことなどが、上記のような結果につながっているのかもしれない。

「ガラスの地下室」に閉じ込められた中高年男性

アメリカで1993年に発行されたワレン・ファレル氏 の著書によれば、男性が家庭における経済的責任を負うがゆえに、長時間労働や危険な職業に就き、女性に比べて自殺率が高く、平均寿命も短い状況を指摘している。

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その過酷な現実は「ガラスの地下室」と表現されている。女性には、「ガラスの天井」があり、出世・昇進がむずかしいことが問題として取り上げられるが、中高年男性は、「ガラスの地下室」に閉じ込められているといえる。

先に述べた調査でも、「男性はつらい」と感じたことのある高学歴中高年男性は60.4%にのぼることが明らかになっており、半分以上の男性が、男性であることにつらさを感じているのである。

性別を問わず、すべての人が生きやすく、働きやすい、社会づくりを行うとともに、多様な価値観を認め合う寛容な社会を目指していくことが望まれる。

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