45歳以上「高学歴男性」が持っていない3つのモノ データでわかった中高年男性特有の生きづらさ

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「働くことによって得られる便益」は、働くことによって得られる給与所得や会社における安定的な地位の確保といった「外的報酬」と、仕事を通じて得られる自己成長や仕事そのものの面白さ・楽しさといった「内的報酬」に大別することができる。

「働くことに伴う費用」は、仕事をすることによって諦めなければならない家族・プライベートの時間など時間に関するものに加え、仕事によって負わなければならない精神的なストレスや肉体的な疲労といったものが含まれる。これをまとめると、「働くことに伴う費用」は、「ハードワークに対する許容度合い」と言い換えることができる。

高い報酬とやりがいを求めている

同調査で仕事を続けることに関する意思決定に影響を与える労働価値観について聞いたところ、下記の点が浮かび上がった。

① 「外的報酬に対する欲求」に関して、出世・昇進といった役職に対する欲求は必ずしも強くないが、より高い報酬を得たいという欲求は強い傾向にある。
 ②  「内的報酬に対する欲求」は、外的報酬に対する欲求と比べて総じて強い
 ③  「内的報酬に対する欲求」は、就職活動時点からアンケート回答時点まで、その分布に大きな変化はみられない。
 ④  就職活動時点では、ハードワークを許容できると考えている男性がそうでない男性よりも多いが、アンケート回答時点においては、「許容度合い」が大きく低下し、許容できると考える男性が、そうでない男性よりも少なくなっている

これらのことから、ある程度高い報酬は求めながら、年齢を経ても仕事へのやりがいや成長意欲は高いものの、体力的な衰えなどからハードワークは難しいという高学歴中高年の人物像が浮かび上がる。仕事に対してやる気がない中高年男性が多くないことは、同調査の結果を踏まえれば明らかである。

就職活動時点とアンケート回答時点での意識の違いを尋ねたところ、ハードワークが許容できないと考えている男性が約39%から約63%に増加している。しかし、アンケート回答時点で、許容できないと考えている男性を含めても、「内的報酬に対する欲求」の強い男性が全体の半数以上を占めている。

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