45歳以上「高学歴男性」が持っていない3つのモノ データでわかった中高年男性特有の生きづらさ

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就職活動時点とアンケート回答時点で比べると、「外的報酬欲求」には差があるものの、「ハードワーク許容度」が低く、「内的報酬に対する欲求」が強いタイプの中高年男性が増えていると言える。

さらに、「ハードワークに対する許容度合い」について、就職活動時点では、出身大学の難易度区分が高いグループの人ほど欲求が強い傾向がみられるが、アンケート回答時点では大学難易度区分の違いによる差異はほとんど確認できない。

こうしたことから、年齢の経過や、さまざまなライフイベントを経ることで、「ハードワークに対する許容度合い」が大きく低下する傾向や、「内的報酬に対する欲求」が総じて強いことは、高学歴の中高年男性全般における特徴だといえる。

役職定年などで権限がなくなり、給与も減少し、どのように仕事に取り組んでいけばよいのかと悩む中高年男性は多い。そうした人を見て「あの人は働く意欲の低い人」と勝手に思い込んでしまうかもしれない。

本稿で紹介した内容は、高学歴の中高年男性に特化したデータに基づく内容ではあるものの、そうしたイメージと中高年男性が持つ労働価値観とは大きく乖離しているといえる。中高年男性をいかに活躍推進していくかが日本の社会にとって重要なのではないだろうか。

高学歴男性ほど再就職が難しい?

ここまで高学歴男性が、自己成長や、やりがいのある仕事を求める意欲が高いという特徴について述べた。意欲が高い男性ほど、役職定年や再雇用などで仕事内容が限定的になるのであれば退職し、いままで獲得したスキルや専門知識を活かせる会社に再就職したいという思いをもつ人もいるだろう。

しかし、大企業に勤めていた人材であっても、年齢が高くなると、人脈や高いスキルを保有していなければ、転職は容易ではないのが現状である。そのような現実をある程度感じているのか、同調査では、定年後の再就職がスキルのミスマッチでうまくいかないのではないかと不安を抱えている男性は、高学歴の男性では約半数を超えている。

特に、大企業に所属している男性ほど、定年後の再就職に関して、スキルのミスマッチで再就職がうまくいかないのではないかと不安を抱える傾向がみられる。

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