アメリカ「メンソールたばこ禁止」に踏み切る理由 これまでにない「厳しい規制」に評価の声も
アメリカ食品医薬品局(FDA)は4月28日、メンソールたばこの国内販売を禁止する方針を示した。公衆衛生の専門家からは、過去10年以上にわたる政府のたばこ規制の中で最も有意義な取り組みだと評価する声が上がった。
とくに影響を受けると考えられるのが、黒人の喫煙者だ。政府の調査によると、メンソールたばこを吸う人の割合は黒人の喫煙者では85%近くと、白人の29%を大きく上回る。
アメリカには依然1850万人の愛煙者
たばこは合法的に入手できる嗜好品の中でも、とりわけ有害な製品の1つだ。メンソールたばこの販売禁止が喫煙そのものの減少につながれば、慢性疾患や寿命の短縮といった健康被害を大幅に減らせる可能性がある。
メンソールたばこは、ミントから抽出したり実験室で合成したりした化学物質を添加することで、刺激を抑え、吸い心地を向上させた商品。約800億ドルに上るアメリカのたばこ市場の3分の1を占め、アメリカには約1850万人の愛煙者がいる。
ハビエル・ベセラ保健福祉長官は、メンソールたばこを禁止できれば「子どもが将来、喫煙者となるのを防ぎ、成人の禁煙を促すのにも役立つ」と語った。黒人の喫煙関連死も大幅に減らせるという。