南アフリカ共和国で見つかった新型コロナウイルスのオミクロン変異株の新系統「BA・4」と「BA・5」には、過去の感染やワクチン接種で産生された抗体をすり抜ける力があることが、同国のアフリカ健康研究所(AHRI)主導の臨床検査で分かった。新たな感染の波につながり得ることを示唆している可能性がある。
それによると、当初のオミクロン株に感染した人の血液サンプルをBA・4とBA・5に対してテストしたところ、中和抗体の産生水準に8倍近くの減少が見られた。ワクチン接種済みの人のサンプルでも約3倍の減少が示された。
研究者らは「特にワクチン未接種のグループにおけるBA・4とBA・5に対する低い中和の絶対値では、症状を伴う感染に対する防御とならない公算が大きい」と指摘。BA・4とBA・5が新たな感染の波をもたらす可能性を示唆している可能性があると分析した。
南アでは感染が再び急増している。4月30日には6527人の新規感染が報告され、検査の陽性率は21.5%。3月28日時点の新規感染は581人、陽性率は4.5%だった。
今回の研究では、当初のオミクロン株に感染したワクチン未接種者24人と、ワクチン接種済みの15人からのサンプルを使った。ワクチン接種を受けた人のうち8人はファイザー製、7人はジョンソン・エンド・ジョンソン製だった。
原題:
Omicron Sublineages Evade Antibodies From Earlier Infections (1)(抜粋)
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著者:Antony Sguazzin
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