霞が関の外から政策を変える「起業家」たちの正体 日本でも注目が集まる政策起業家の活動とは?
スマートシティなどに取り組む先進的な自治体では、CDOやアーキテクトを設置するなど外部の専門家登用を積極的に行なっている。行政と民間を行き来する「リボルビングドア(回転ドア)」という言葉が市民権を得るようになっていることでもその兆候が見てとれる。また、EBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング。 証拠に基づく政策立案)の推進で、政府によりオープンに情報を要求する流れもある。情報が提供されれば在野の研究者、エンジニア、専門家が外からでも提案や貢献をしやすくなっていく。
課題は政策の質の確保
霞ヶ関の政策独占によって、シンクタンクの存在意義も高まってくる。従来の日本ではシンクタンクの数が少なく、なかなか育たなかったが、経済安全保障の文脈や防衛大綱でもシンクタンクの必要性が明記されるなど、技術的視点を担う在野の専門家として、政府の政策文書でもシンクタンクの有用性が位置付けられるようになってきた。
こうした背景で裾野が広がってきている政策起業家とその予備軍。それだけに、今後はいかに質の高い政策を提起できる層を厚くできるかが重要になってくる。
社会課題に対して政策手段を通じてアクションを起こすという意味では、小学生が自治体に遊び場の改善を働きかけることから、企業によるグローバルレベルでのルール形成まで様々な分野を内包する「政策起業」という概念。
多くの人が「政策起業家」を自認することで、新しいオープンな政策づくりのエコシステムが形成されていくかもしれない。
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