吉岡里帆さん、移動の車に「枕と布団」常備するワケ 主演映画『ハケンアニメ!』では監督役に挑む
――吉野耕平監督ご自身がアニメーターとして活躍されていて、映画『君の名は。』ではCGアーティストや空間デザイナーを担当した方として知られています。その吉野監督とのタッグは、いかがでしたか。
アニメーターの瞳を演じるときは、監督の一挙手一投足を参考にさせていただきました。とてもユニークな監督で、役柄の瞳には反映させていませんが、撮影現場の隅っこでギュッと小さくまとまりながら、何かを考えていらっしゃる姿が印象的でした。「どうしたらこの(アニメの)部署に自分の思いが伝わるんだろう」と考えてらっしゃる瞬間もたくさんありましたし、伝わったとき、こっそり嬉しそうにされていたのも拝見しました。
そういえば監督から1シーンだけ無茶振りをされて、驚いたこともありました。
――どんな無茶振りだったんですか?
瞳が働く大手アニメ会社『トウケイ動画』のアニメーションチームのみんなで、最終話を変更しようと意見が一致して、急展開を迎えるんです。すべての部署に自分の思いを伝えるシーンは、実は決まったセリフがほぼなくて。撮影直前に監督から、「瞳が各部署に思いを伝えている姿を撮りたいので、吉岡さんの言葉で伝えてみてください」と言われて「えっ、どうしよう!!」と、かなり緊張しました。本番では私の話し声は採用されていないのですが、「瞳なら何と伝えるだろう」と想像しながら、次々と話しかけていきました。
映画を観るとたしかに、必死で伝え回っている瞳がいました。監督の采配はすごいと感じた瞬間でもありました。
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