フィリピン大統領選が「国外で」盛り上がる理由 世界屈指の出稼ぎ大国、在外投票候補者が注目
週末の日本各地、例えば東京では、銀座で赤と緑のシャツに身を包んだ人たちが、また渋谷ではピンクの一団がデモ行進をしている。京都では花見を兼ねたピンクの集会が開かれ、大阪では市民ホールを借り切って赤緑の復活祭イベントが催された。立山黒部アルペンルートへのピンクのツアーもある。
いずれも2022年5月9日に迫ったフィリピン大統領選で、特定候補を応援する活動の一環である。赤は情勢調査で首位に立つ故フェルディナンド・マルコス元大統領の長男ボンボン・マルコス元上院議員のキャンペーンカラーだ。緑は同氏と組んで副大統領選に立候補しているサラ・ドゥテルテ氏のものだ。ロドリゴ・ドゥテルテ大統領の長女である。一方のピンクは、大統領選でマルコス氏を追うレニー・ロブレド副大統領陣営の選んだ色だ。
歌って踊って熱烈支持
2022年4月3日、京都市国際交流会館の和風別館で催されたピンクの集会を覗いてみた。主催は「チーム・レニー・ロブレド・グローバル・ジャパン」。2021年11月に結成された。日本在住の支持者がフェイスブックのグループページでつながっている。登録者は3000人を超す。
この日は70人ほどが三々五々集まり、満開の桜をバックにまず記念撮影。会場に候補者のバナーやデコレーションを飾り、主催者らが順番に応援演説をした。食事やゲームを挟み、最後にロブレド氏らが集会のために録画したビデオを放映し、歓声を上げた。子連れの家族も多く、同胞との交流の場としても大いに盛り上がっていた。
この団体の西日本支部代表であるマリ・レスレクションさん(42)は、一人息子をフィリピンの実家に残して兵庫県淡路市で英語教師をしている。「汚職のない、まともな未来のフィリピンを子供の世代に残したい。それには清廉で実行力のあるレニーしかいない」と力を込めた。仕事以外の時間を費やすボランティアとして応援活動に取り組んでいる。この日も会場費を参加者で均等割りしていた。
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