GWに試してほしい「読書の満足度を高める」技術 自分に合う方法がわかる「戦略的読書」のススメ

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時間や場所によって調子よく読める本が異なることがあります。難解な本を進めることが苦痛ではない瞬間もあれば、リラックスした本でないと目が泳いでしまう時間帯や場面もあり、読書のペースはまちまちです。

1つの本を読み切ってからでなければ次の本を読まないというルールも悪くはありませんが、私はむしろシーンに合わせて開く本を複数用意しておくことで、つねになんらかの読書が進むようにしています。

組み合わせを用意して複数を同時に読む

例えば難解なものと平易なもの、勉強のための本と遊びのためのもの、持ち歩けるものと分厚いもの、紙の本とデジタルの本といった組み合わせを用意して複数を同時に読むことで、さまざまな時間を読書に割り当てるわけです。

『ライフハック大全 プリンシプルズ』(角川新書)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

ただし、難解な本や筋を覚えていなくてはいけない本については、別の本に切り替える際にどこまでの内容を読んだかが記憶から抜け落ちますので、セーブデータをとる意識で詳細な読書メモを残しておきます。

複数の本を読む際に同時に読める冊数は人によって異なります。2冊が限界という人もいれば、6冊ほどを同時に進められるという人もいます。

重要なのは、数をこなすことではなく、限られた時間で本を味わうための最適なペース作りだと考えて、この数字も自分自身の最適な数字を実験的に測定してみましょう。

何もかもがスピード感のあるなしで価値が測られ、素早い消費が求められがちな時代のなかで、読書は未知なる世界に自分自身を解き放つぜいたくな時間です。

人生そのものといってもよい、このぜいたくな時間から何も奪うことがないように、自分に最適なスピードを見つけるようにしてください。

堀 正岳 Lifehacking.jp運営者

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ほり まさたけ / Masatake Hori

研究者・ブロガー。北極における気候変動を研究するかたわら、ライフハック、IT、文具などをテーマとしたブログ「Lifehacking.jp」を運営。知的生産、仕事術、ソーシャルメディアなどについて著書多数。理学博士。著書に『ライフハック大全―――人生と仕事を変える小さな習慣250』『知的生活の設計―――「10年後の自分」を支える83の戦略』『仕事と自分を変える「リスト」の魔法』(以上、KADOKAWA)がある。

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