「レクサスCT」10年超のロングセラーになった訳 2022年10月の生産終了は何を意味するのか?
2011年にデビューしたCTの船出は、まさに順風満帆であったのだ。しかし、その後の売れ行きは、パッとしなかった。
すぐに年間販売ランキングで、30位より下の圏外に落ち込んでしまったのだ。レクサスのブランドアイコンである「スピンドルグリル」を採用した2014年1月のマイナーチェンジで示された月販目標は、わずか700台だった。年間でも8400台に過ぎない。
2015年になると、ベースメカニズムを共有していたプリウスは、第4世代にフルモデルチェンジする。しかし、CTはそのままモデルチェンジせず、2017年にマイナーチェンジを実施するにとどまった。
ちなみに、2011年から2021年までの10年間で、CTの日本での販売台数は約7万台だという。最初の年に2万台を売ったということだから、残りの9年で5万台。つまり、年間約5500台ペースだ。世界市場全体でいえばもう少し大きいが、それでも10年間で38万台。年間4万台を切るペースだ。
一方、2015年に4代目へと世代交代したプリウスは、翌2016年に年間約25万台を販売している。
月販でいえば2万台超。トヨタ屈指のヒットモデルであるプリウスと比べるのは酷なものだが、それでもCTの販売数は、あまりに少ない。まるで少量生産のスポーツカーのようだ。
なぜ、販売台数が少ないのに作り続けられたのか?
ささやかな販売台数でありながらも、CTは結果的に11年にわたって生産・販売が続いている。その理由は何であろうか。レクサスの広報担当者にモデル終了の理由を尋ねてみると、以下のような答えが返ってきた。
「ブランド全体のモデルラインアップ等を総合的に勘案し、本年での生産終了を決定しましたが、レクサスとしてはこれからも基幹モデルのセダンやSUVラインアップの強化拡充にとどまらず、クルマを操る楽しさを提供し続けるスポーツモデル、新しいショーファーの在り方やこれまでにない新ジャンルのモデル等の可能性を追求し、お客様のご期待を超える新しい価値の提供に挑戦してまいります」
簡単に言えば、「ブランド全体のラインナップの都合」だ。“今までは必要”であったけれど、“これからは必要ない”ということだろう。そこでポイントとなるのが、レクサスの方向性である。
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