日本のDXがどれだけパッとしないか知ってますか 競争力64カ国中28位、特に冴えないワースト5項目

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総合順位に対して、3つのファクターとその下位にサブファクターがさらに3つずつあります。(図1)このサブファクターは、さらにそれぞれで5〜7つの採点項目が設定され、採点項目ごとに順位が設定されています。(図2)

図1
図2

(外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

日本のデジタル評価の採点項目ワースト5

●同率第3位 デジタル・テクノロジースキル(サブファクター:人材)

64か国中62位という評価になっているのが、この項目です。サブファクターの人材分野では「教育を受ける環境が整っている」とも評価されているため「学び」の部分での評価は高い傾向にあります。しかし全体では「日本人はデジタルとテクノロジーのスキルが足りない」という評価になっています。

この原因は2つ考えられます。1つは高校までの教育過程でデジタルやテクノロジーについて学ぶ機会が欧米の先進国に比べ少ないことです。ランキング高位の国と比較すると日本は文系の教育時間が長く、また小さいうちからデジタルツールに触れることが少なかったことがあげられるでしょう。

もう1つの原因として、社会に出てからデジタル・テクノロジーの分野で活躍できる場が少ないことが考えられます。この分野で評価の高いアメリカでは、7割のエンジニアが就職先として一般企業を選ぶのに対し、日本では7割のエンジニアは就職先として開発会社(Sier等)しか選べていません。つまり一般企業に就職するエンジニアは、わずか3割なのです。

近年は、日本でもキャリアチェンジとしてエンジニアを志す人も増えていますが、そもそもの就職先として、まだまだ門戸が開かれているとは言えません。全体として見たときのデジタル・テクノロジースキルが低いと評価されても仕方ない状況です。

●同率第3位 機会と脅威(サブファクター:ビジネスの俊敏性)

64位中62位という評価です。厳密には「デジタル化する社会に対して日本企業の機会と脅威の考え方が低い」という評価で、デジタル化に対して企業の準備が整っていないことを意味します。

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